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2025.05.27
入札で注目されたつくば初のハイパースケールデータセンターで、DCの大型化が本格化しています。主導するのは、豪グッドマン・グループ。2022年、つくば市が産業振興の一環として実施した公募型プロポーザルに応じ、同社は約45ヘクタールの用地取得に成功しました。研究学園都市として整備されてきたこの地域は、通信・電力・水道といったインフラがすでに整っており、首都圏からのアクセス性も高い場所。加えて、地域としての開発余地が大きく、国内では希少なハイパースケールDCの受け入れ地としての条件を備えています。
1GW規模のハイパースケールDC開発、その全容とは
2024年1月、グッドマンは「グッドマンつくばデータセンターキャンパス」の正式発表に踏み切りました。構想されているのは、最大で1GW(1000MW)の電力供給能力をもつキャンパス型DCであり、国内でも過去に例のない規模です。第1期フェーズとして、50MW規模の建屋が建設中で、2026年の完成を予定しています。すでに一部顧客との基本合意も結ばれており、市場ニーズとの整合も取れている点が特徴です。なお、グッドマンは千葉・印西市でも300MW超のデータセンター群を展開しており、つくばはそれに次ぐフラッグシップ拠点となる見込みです。
グローバル戦略と環境対応が支える次世代インフラ
グッドマンのデータセンター戦略はグローバルに展開されており、香港・ロサンゼルス・シドニー・メルボルンなど主要都市でも開発が進んでいます。2025年2月には、DC開発に向けて約40億ドル(約6000億円)もの資金を調達。5~7年で最大800億ドル規模の開発機会を見込み、総電力容量4GWを確保済みだということです。
同社の取り組みは、環境対応の面でも先進的です。建築物の低炭素設計や再生可能エネルギーの積極的導入を通じて、ESG要件への対応を強化。これは、サステナビリティを重視するグローバルクラウド企業やAI事業者にとって、大きなアピールポイントとなります。
メガDC時代における日本の立ち位置を再定義するプロジェクト
このように、つくばの1GW級データセンター開発は、国内DC業界における新たな局面を示す象徴的なプロジェクトであります。公共と民間の協調によって実現する本計画は、地域の価値を高めると同時に、メガDC時代における日本のポジションを再定義する取り組みとして、大きな注目を集めています。
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