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中国のデータセンター事業大手GDSは、国際事業子会社のGDS Internationalを通じて、海外進出を加速させています。今回はGDSが日本市場進出を発表したことについて紹介していきます。
中国データセンター事業大手GDS
GDSは2006年に設立され、同社は現在、蘇州昆山、成都、上海、深圳、北京を含む中華圏で数十のデータセンターを運営しています。
子会社のGDS Internationalは2022年に設立され、シンガポールを本社とし、中国本土以外でのデータセンター建設と運営を行っています。現在は香港、シンガポール、マレーシア、インドネシアで事業を展開中です。
Gaw Capitalと提携して都内にデータセンター建設を発表
GDSは、香港に本拠地を置く不動産プライベート・エクイティ企業Gaw Capitalと提携し、東京都内に総容量40メガワット(MW)のデータセンターパークを共同で建設すると発表しました。
Gawは2022年4月に東京都府中市の府中インテリジェントパークにある府中ビルを取得。GDSとGawは、その府中インテリジェントパークの内の区画にキャリアニュートラルなデータセンターパークを開設し、安全で拡張可能な最先端のデジタルインフラに対する巨大な需要を満たす計画です。
区画の総面積は10,970平方メートル(118,080平方フィート)で、第1期は2026年末の稼働開始が予定されており、すでにGDSに対して発注の意向を示した顧客もいるそうです。
GDSの黄偉・会長兼最高経営責任者(CEO)は日本の市場規模、アジア太平洋地域の3大データセンター市場の1つであることと、人工知能(AI)の需要の急拡大について触れ「当社のグローバル事業の急成長を確信している」としています。
日本経済新聞によると、東京圏でデータセンターが急増しており、施設規模は今後3〜5年で倍に膨らんでシンガポールを抜き、アジア首位の北京に迫る見通しとされ、そういった状況もGDSの日本進出の要因の1つであったことが予想されます。
中国データセンター企業初日本進出で注目を集めるGDS
今回は、中国データセンター企業初の日本市場進出ということで注目されている発表について紹介していきました。
GDSのデータセンター建設について更なる詳細が分かり次第、また状況をお伝えしていきます。
2024.12.24
人工知能(AI)技術の進歩やクラウドサービスの利用拡大により、データセンター市場は急速な成長を続けています。今回は、国内のデータセンター事業に関して、大手建設会社「大林組」から注目すべき発表がありましたので紹介していきます。
都心部でデータセンター開発事業参入を発表
大林組は、都心部でのデータセンター開発事業に本格的に参入することを発表しました。11月末には新会社「MiTASUN(ミタサン)株式会社」を設立。東京都心部での都市型データセンターの開発・運営に乗り出します。
大林組がこれまでの建築事業や開発事業で培った知見を生かして、発注者として都市部のオフィスビルを小規模データセンターに改修、建て替えなどを進行します。8km圏内に複数の小規模データセンターを開設し、それらを専用光回線で接続してデータセンター群を構築。ハイパースケールと呼ばれる大規模データセンター相当の規模をデータセンター群全体で確保する予定です。
持続可能な社会の実現を目指すプロジェクト
MiTASUNは今後10年以内に、東京都心でのデータセンター開発に約1000億円を投資する方針を示しています。28年度に第1号プロジェクトとして、データセンター規模を示す受電容量が5.5MW程度の小規模データセンターを東京・三田に新築。また第1号から約6km離れた場所に、すでに都内での第2号となる用地も確保しており、31年度までに40MW級のデータセンター群の構築を目指しています。
さらに、他社とのアライアンスも積極的に推進し、以下の施策を展開する方針です。
・他社保有ビルのデータセンター化
・他のデータセンター事業者との相互接続
・持続的な施設規模の拡大
大林グループは、この新規事業を通じて都市インフラの高度化に貢献し、持続可能な社会の実現を目指すとしています。
都市型データセンター事業展開に期待
データセンターの需要は今後も拡大が見込まれており、特に都心部での需要は更に増加していくことが予想されます。大林組の都市型データセンター事業は、都市開発における新たなモデルケースとなるのでしょうか。大林組の建設事業で培った技術力と開発事業のノウハウを活かした展開に期待が高まります。
2024.12.19