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今回は米半導体大手エヌビディアについて、1つ大きなニュースがありましたので紹介していきます。
米司法省、NVIDIAに強制調査
9月上旬に、米司法省がエヌビディアの強制調査に乗り出したことが明らかになりました。反トラスト法(独占禁止法)による提訴を視野に、証拠を集めるための召喚状を送ったと米ブルームバーグ通信が報じています。
エヌビディアはAIの開発・動作に使う半導体で1強状態。英調査会社オムディアによると、エヌビディアの2023年のデータセンター向けAI半導体のシェアは約8割に達するとのこと。この状況について他社の供給を阻む反競争的な行為があったかどうかが焦点となります。
エヌビディアは半導体そのものだけでなく、AI開発に最適なソフトを提供しています。半導体とソフトとを抱き合わせで使う顧客らに対し、供給面や価格設定で優遇していないかなどを同省が調べている様子です。
AI開発業者のスタンダード、NVIDIAの「CUDA」
生成AIモデルの訓練を含む大規模演算の用途では、エヌビディア製GPUに特化したソフト開発環境「CUDA」が圧倒的なシェアを持っています。同社による普及活動の結果として、CUDAを使うことが多くのソフト開発者のスタンダードになっているからです。
仮にエヌビディアに反競争的な行為があったとすれば当局から是正命令を受ける可能性がありますが、CUDAに慣れた開発者が多いという現状を覆すのは簡単ではありません。
CUDAは同社製GPUのハード仕様と密に連携しており、特定のレイヤーで標準部分と独自部分を分離するのも容易ではなさそうです。
競合が対抗製品を投入していますが、エヌビディアの先行優位は続いています。AI開発企業は実質的に同社の製品が不可欠となっています。
監視を強める司法省
独禁当局である司法省は米連邦取引委員会(FTC)と並び、巨大テクノロジー企業への監視を強めている様子です。司法省は米グーグルの独占をめぐる裁判で8月上旬に地裁で一審勝訴を勝ち取っています。米アップルに対しても3月に独禁法違反で提訴に踏み切っています。
米エヌビディア提訴への具体的な動きはこれからということになりますが、状況が明らかになり次第お伝えしていきます。
2024.11.19