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米不動産投資・開発のAPLグループ、糸島市と北九州市に大規模データセンター建設を計画

デジタル機器の普及、車両の自動運転、生成AIの開発・活用などで膨大なデータの処理を行うため、データセンターの重要性は高まっています。

  

日本のデータセンター大需要地は、東京や大阪に国内の約8割が集中していますが、今回、福岡県糸島市と北九州市で、米不動産投資・開発のアジア・パシフィック・ランド(APL)グループが大規模なデータセンターを建設することがわかりました。

  

糸島市に3,000億円超を投じる九州最大級のデータセンター建設、今春着工予定

  

2025年春に、糸島市多久・富地区で、九州最大級となるデータセンターの建設工事が着工する予定です。このデータセンターは、規模を示す総受電容量が30万キロワットとなり、投資額も3,000億円超に上ります。

  

場所は西九州自動車道の前原インターチェンジ南東部。

  

122,000平方メートルの敷地内に6つのデータセンターを建設する計画。

  

建設は、2025年春から造成工事を始め、2029年からデータセンターとしての運用を段階的に開始します。

  

北九州市に12万キロ・ワットのデータセンターを建設2027年秋までの着工を目指す

  

また、APLグループでは、202311月に北九州学術研究都市(北九州市・若松区)の市有地62,822平方メートルも取得し、投資額1250億円を投じて総受電容量12万キロ・ワットのデータセンターを建設する計画です。2027年秋までの着工を目指しています。

  

北九州市内への大規模なデータセンターの開設は2007年以来、2件目です。

  

APLは北九州を選定した理由として、海底ケーブルの陸揚げ拠点への近さ、再生可能エネルギー活用の将来性をあげ、地理的にアジアに近いことなどを総合的に考慮したとのこと。また、国内や東アジアの企業などの需要の取り込みを期待しています。

  

データセンター地方分散の候補地として注目度が高まる可能性

  

九州でのデータセンター建設は、南海トラフ地震をはじめとする各種災害へのリスクヘッジとして、データセンターの地方分散を図ったもので、さらにアジアへの海底ケーブル陸揚げ局の近接性を生かしたものとなっています。

  

北九州市は東京に集中する企業の本社やデータセンター、政府機関の受け皿となる「バックアップ首都構想」を掲げています。北九州学術研究都市に大規模なデータセンターが建設されることで、同市の構想に対して弾みがつくことになりそうです。データセンターの地方分散の候補地として災害が少ない北九州の注目度が高まる可能性も考えられ、その展開に期待が高まります。

TOPICS & NEWS

2025.03.25

石破首相AIインフラ一体整備に向けて協議会立ち上げを表明、脱炭素・地方創生の両立図るも懸念される電力の課題

石破茂首相は2月のデジタル行財政改革会議で、人工知能(AI)の普及で需要増が見込まれるデータセンターと発電所を一体で整備するため官民の協議会を立ち上げると表明しました。都市部に集中する電力、通信インフラの地方分散を進めます。

  

新設する官民協議会はその具体策を話し合う場になり、東京電力グループやNTTのほかソフトバンクグループなども参加する可能性があると見られています。

  

データセンターと発電所を一体で整備する構想は「ワット・ビット連携」と呼ばれ、原子力や風力、太陽光といった発電所の近くにデータセンターを設けて産業の集積をめざす考え方。

  

光ファイバーケーブルが送電線に比べ割安である点に着目し、光ケーブルを通じてデジタル情報を効率的に送ることを想定。新たな送配電ネットワークの整備につなげます。

  

データセンターは東京や大阪に集中しています。総務省によると23年時点で関東、関西だけで立地面積のおよそ9割を占めています。大規模な災害への対応といった国土強靱化の観点から電力、通信インフラの地方分散は欠かせません。

  

脱炭素への円滑な移行と地方経済の活性化の両立を狙った取り組みですが、電力の課題について懸念される部分もあります。

  

国内データセンターのAI向け電力容量、2028年には2024年の約3.2倍に

  

IDC Japan株式会社は、2月末に国内データセンターに設置されるAIサーバーに必要な電力容量の推定結果を発表しました。国内データセンター内のAIサーバーが必要とする電力容量は、2024年末時点で合計67メガワット、2028年末では212メガワットと、4年間で約3.2倍に増大する見込みで、これは首都圏や関西に建設されているハイパースケールデータセンターの約58棟分に相当するとしています。

  

なお、この電力容量は、サーバーが必要とする電力を指しており、ネットワーク機器や冷却システムなどが必要とする電力は含みません。

  

IDC Japanでは、20241月にも同様の電力容量推定を行いましたが、今回の推定結果は前回の推定値(2027年に約8090メガワット)を大幅に上方修正する結果となったと説明。これは、国内市場向けのAIサーバー出荷金額予測が、大幅に引き上げられたためだとしています。

  

その背景には、ハイパースケーラーによるAIサーバーの設置が急拡大していることに加えて、政府の補助金プログラムによるAIサーバー調達が国内のサービスプロバイダー、研究機関などで加速したという事実があると指摘されています。

  

特に、ハイパースケーラーによるAIインフラ投資の規模は大きく、今回推定した電力容量の大部分は、ハイパースケールデータセンターが占めているということです。

 

AIサーバーは1台あたりの消費電力とともに、発熱量も大きいことが知られています。このため、AIサーバーを大量に設置するデータセンターでは、従来の空調方式による冷却システムではなく、液冷方式の設備が必要になっています。

  

液冷方式の導入に関してはまだ検討すべき点が多いという見方をしている専門家もおり、まずはこの電力の課題について具体的な解決策を見出すことがAIインフラ一体整備の実現に向かう鍵となりそうです。

 

TOPICS & NEWS

2025.03.18