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2024.05.17

米クラウド大手が、日本でのデータセンター投資を拡大する背景

米オラクルは4月18日、今後10年間で日本国内のデータセンターに80億ドル(約1兆2000億 円)を投じると発表しました。また、米オープンAIも日本進出を発表。

 

他にもマイクロソフトなど、米クラウド大手が今年に入って表明した対日投資額は計4兆円に迫っています。こうした米クラウド大手の日本のデータセンター重視の背景には何があるのでしょうか。

 

生成AIの普及と安全保障のリスクへの対応

 

背景にあるのは、生成AI(人工知能)の急速な普及です。利用企業の間では基盤となる大規模言語モデルの学習や運用に使うクラウドサービスのニーズが高まっています。ドイツの調査会社スタティスタは日本のデータセンターの市場規模が28年に約240億ドルに達し、23年の1.4 倍に膨らむと予測しています。

 

しかし、クラウドサービスの安全保障のリスクが浮上。日本経済新聞などの調査によると、約半数の企業が各国の捜査当局などからの開示請求に関する十分な規定を整えていないことが分かっています。日本はデータの保管を海外に依存している企業が少なくない中、検閲などの懸念がある中国やロシアにデータを置く企業もあり、対応が急がれています。

 

セキュリティーやプライバシー意識の高まりからも、各国・地域の規制当局は自国のデータを国内で管理するデータ主権の考え方を重視するようになっています。日本政府も個人情報保護法で国境をまたいだ個人データの移転を制限しています。日本の企業は機密データを国内で管理するよう求められつつあります。

 

こうしたニーズに応えるため、米クラウド大手は相次いで日本国内での大規模投資を打ち出しています。

 

また、日本重視の動きはAI分野に限りません。世界最大の半導体受託生産会社、台湾積体電路製造 (TSMC)は約1兆3000億円を投じて熊本県内に建設した工場で24年末までに演算用半導体の量産に乗り出します。約2兆円を投じ、27年の稼働に向けて第2工場の建設も決めました。

 

同社はこれまで台湾に生産拠点を集中させてきましたが、中国の侵攻リスクをにらみ日本や米国、ドイツなどに生産拠点を分散する戦略を進めています。熊本工場の建設はその一環ですが、半導体の需要地で関連産業が集まる日本の重要性はさらに高まる可能性があります。

 

このような情勢は今後も大手クラウドの動きに影響を及ぼすことになりそうです。

 

AIは日本の経済成長に不可欠な要素

 

地震国で電気代も高い日本におけるデータセンターのコストは海外に比べ割高とされていますが、クラウドサービスでマイクロソフトと競合する米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や米グーグルも国内で大規模なデータセンター投資に乗り出しています。

 

マイクロソフトのブラッド・スミス社長は日本について「人口が高齢化し減少する中、持続的な経済成長にとってAIは不可欠な要素だ」と語っています。

 

日本の経済成長に向けて、AIの可能性そして大手クラウドの動向に今後も注目していきたいと思います。

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