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2025.07.24

IOWNの実用化に向け前進するNTT

NTTが主導する次世代インフラ構想「IOWNInnovative Optical and Wireless Network)」の実用化に向けた動きが加速しています。20256月、NTTIOWN構想の中核を担う「All-Photonics NetworkAPN)」の実証実験が成功したと発表。光を活用した新たなネットワーク技術により、既存インターネットの限界を超える低遅延・大容量・低消費電力の通信が実現可能となります。

  

今回の実験では、通信遅延を従来の1/200以下に抑えつつ、エネルギー効率も劇的に改善されました。これは、AIや自動運転、遠隔医療といった高度なリアルタイム処理が求められる社会インフラにとって、極めて重要な技術的ブレークスルーです。NTT2030年までの本格実用化を目指しており、今後、企業・自治体・研究機関との連携を通じた社会実装が加速する見通しです。

  

データセンター戦略に見るIOWNとの相乗効果

  

IOWNの実用化と並行して、NTTはデータセンター事業への投資を強化しています。NTTデータやNTTコミュニケーションズは、国内外で大規模なデータセンターの新設や拡張を進めており、その基盤にはIOWN技術の導入が期待されています。

特に注目すべきは、APNとコンピューティングリソースを組み合わせた「デジタルツインコンピューティング(DTC)」との連動です。これは、物理空間のあらゆる情報をリアルタイムで仮想空間に再現し、未来予測や最適化に活用する技術であり、膨大なデータ処理が求められるデータセンターとの親和性が高いのです。NTTは、これらの先進技術を支える次世代データセンターの構築を通じて、エネルギー効率と計算性能の両立を目指します。

  

また、IOWNに対応したインフラは、単なる国内展開にとどまらず、グローバル展開も視野に入れています。NTTはアジアや欧米を含む海外市場にも積極的に進出し、世界規模でのデジタル基盤構築を進めています。すでにアメリカやインド、ヨーロッパなどに拠点を構え、IOWN対応のデータセンター運営に乗り出しており、日本発の次世代技術が世界のデジタルエコシステムに与える影響は非常に大きいといえるでしょう。

 

世界に広がる「日本発」のインフラ革命

  

NTTが目指すIOWN構想は、単なるネットワーク刷新にとどまらず、社会全体の構造そのものを変革する可能性を秘めています。AI、量子コンピューティング、遠隔操作、スマートシティ――あらゆる領域で高速・低遅延・省電力の通信基盤は必要不可欠です。IOWNとそれを支えるデータセンターが融合することで、次世代のデジタル社会の実現に一歩近づきます。

NTTの挑戦は今、技術検証フェーズを超え、実装と展開の段階へと移行しつつあります。日本発の最先端技術が世界のデジタルインフラとして広がっていく未来に、大きな期待が寄せられています。

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