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NVIDIAの決算好調、その背景を探る

米半導体大手NDIVIAの時価総額が5日、初めて3兆ドル(約468兆円)を突破しました。

 

NDIVIAの時価総額は今年2月に初めて2兆ドルの大台を突破。生成AI向け半導体が支えとなり同社の業績は急拡大しています。米株式市場のけん引役として存在感を高めており、2兆ドル突破からわずか3カ月余りでの3兆ドル超えとなりました。

 

AIを含むデータセンター向けの売り上げが業績を押し上げており、5月に発表した2024年2~4月期決算は、純利益が前年同期の約7・3倍の148億8100万ドル、売上高は約3・6倍の260億4400万ドルに膨らみました。

 

強いNDIVIA、その背景

 

NDIVIAが製造しているのはGPU(画像処理半導体)です。GPUは動画・画像・アニメーション表示などのディスプレー機能のために設計されたチップで、ゲーミングPCなどで映像をなめらかに表示するために用いられてきました。

 

今、このGPUの需要が拡大しています。その起爆剤となっているのが、「データセンター」とChatGPTに代表される「生成AI」。

 

これまでデータセンターにはCPU(Central Processing Unit)のみ搭載するケースが一般的でしたが、AIの普及によってCPUと併せて、GPUもデータセンターに搭載する流れが進行。ただデータセンターの中でGPUが搭載されているものは全体の1〜2割程度でした。

 

それが、生成AIの普及によって事情が変わります。

 

画像生成や自然言語生成などの生成AIでは、学習によって作り上げたAIモデルを動かして結論を得る「推論」というプロセスが必要になります。ChatGPTに質問をした際、答えが返ってくるのは「推論」の結果です。推論プロセスでは、学習プロセスよりも多くの計算が必要になります。そのため、大量の計算に適したGPUも併せて搭載する必要があるのです。

 

今後、世界のほとんどのデータセンターで情報を生成する主要な作業が生成AIになることは明らかで、また10年間で、世界のほとんどのデータセンターにGPUが搭載されることになると言われています。

 

AI開発業者のスタンダードNDIVIAの「CUDA」

 

GPUは、CPUとは異なり、大量の計算を同時に並列して行うことが得意ですが、その能力を引き出すためには、GPU向けの開発環境が必要です。

 

NDIVIAが開発した「CUDA」はそんな「GPU向けの開発環境の一つ」ですが、ニューラルネットの研究者たちの間で、CUDAが実質的なスタンダードになってしまったため、その上にライブラリも数多く作られ、今や、少なくとも学習プロセスに関して言えば、「CUDAを使う以外の選択肢はほぼない」状況になっているのです。

 

CUDAは、NDIVIAが自社製のGPUの上に作った開発環境であるため、結果として「ニューロンの学習プロセスにおいては、NVIDIAを使う」ことがスタンダードになってしまったということです。

 

CUDAはライバルが到底乗り越えられない競争上の「掘」としてNVIDIAを守っています。

 

当面はNVIDIAほぼ独占状態か

 

英調査会社オムディアによると、NVIDIAはデータセンター向けAI半導体の世界市場で77%(2023年)のシェアを持つとのこと。同社の先端のGPUはAIの開発を手掛ける企業の間で奪い合いになっています。

 

当面はデータセンター向けのGPU市場はNVIDIAのほぼ独占状態が予測されますが、GPUを扱う他の企業の動きにも注目していきたいと思います。

TOPICS & NEWS

2024.06.12

【OpenAI】GPT-4o – 進化を続ける生成AI

2024年5月、OpenAIが、ChatGPTの最新モデルである「GPT-4o」をリリースしました。

テキスト、音声、画像を統合的に処理可能な最先端のマルチモーダルAIであり、無料版ChatGPTにも実装される点が注目されています。

GAFAをはじめ日本の企業でも新設ラッシュのデータセンターに大きな影響を与える生成AI、その代表格であるOpenAIのChatGPT最新バージョン「4o」は従来のものと何が違うのか、見ていきたいと思います。

 

GPT-4oとは?

 

ChatGPT-4o(Omni、オムニ)とは、2024年5月にOpenAIが発表したChatGPTの最新モデルです。オムニとはラテン語で「全て」という意味であり、文章だけでなく画像や音声も含む全ての情報を取り扱い、あらゆるタスクを実行できることを表しています。

 

従来のモデルであるGPT-4 Turboに比べて、圧倒的に回答精度と回答スピードが向上したことに加え、人間のように感情豊かに音声会話ができ、画像の細かい部分まで読み取るなど、あらゆる点においてバージョンアップしています。

 

GPT-4oの特徴と他のモデルとの違いは?

 

GPTシリーズは、OpenAIが開発する大規模言語モデルであり、その性能向上は目覚ましいものがあります。

 

2020年に発表されたGPT-3は、175Bのパラメータを持つ大規模モデルとして注目を集めました。2022年のGPT-3.5では、ChatGPTに実装され、一般ユーザーとの対話を通じて言語生成AIの可能性を広く知らしめました。そして2023年のGPT-4では、マルチモーダル化への第一歩が示されました。

 

GPT-4oは、このGPTシリーズの進化の延長線上に位置づけられます。ただし、単なる性能向上にとどまらず、音声・画像・テキストのスムーズな統合処理を実現した点で、従来のGPTとは一線を画しています。

 

従来のモデルと比べて大幅に向上した主要な評価ポイントを以下に紹介します。

 

 テキスト精度

複雑な文章の理解と生成において高い精度を誇ります。これにより、より自然で一貫性のあるテキスト生成が可能となります。

執筆に欠かせない記事構成案も簡単に作成することができます。

 

 テキスト・音声の応答速度

新しいアルゴリズムにより、テキストおよび音声の応答速度が改善され、リアルタイムでの対話がさらにスムーズになりました。また、音声に抑揚があるので、人と会話しているような感覚にもなります。

 

 音声認識と翻訳機能

音声認識機能の精度が向上し、多言語対応の翻訳機能も強化されています。これにより、グローバルなコミュニケーションがより効率的に行えます。

音声を認識し処理を行うことで、リアルタイムに翻訳することも可能です。

 

 画像の認識機能強化

画像認識能力も強化されており、画像の内容を高い精度で解析し、関連する情報を提供することができます。

画像データから文字を抽出することも可能です。読み取りづらい文字に関しては、その他の画像データから推測して文字を抽出することができます。

 

 セキュリティ機能

日本語を含む20言語で新しいトークナイザーが導入され、セキュリティ面でも大幅な改良が施されています。これにより、データの安全性と処理効率が向上したとともに、ユーザーのプライバシーを保護しつつ、高速で安全なデータ処理が可能になりました。

 

進化するChatGPT

 

画像処理能力の向上や音声認識機能の追加など、今回のアップデートで驚かされる機能がたくさん追加されたChatGPT。

今後はリアルタイムビデオを介して会話できるようになり、読み込ませた動画の内容を音声で解説させることができる新しい音声モードのリリースも予定されています。

生成AIを牽引しているChatGPTの展開は今後のデータセンターにも大きく影響を与える要素になりますので、その様子は今後も随時ウォッチしていきたいと思います。

 

一方、今後さらに開発される新機能に期待が膨らむなか、消費電力は今までの何倍にも膨れ上がっていくことが予想されます。

日本においては新たに開設されるデータセンターの電力不足をどう解消していくのか。

こちらも併せて注視していきたいと思います。

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2024.05.28

米クラウド大手が、日本でのデータセンター投資を拡大する背景

米オラクルは4月18日、今後10年間で日本国内のデータセンターに80億ドル(約1兆2000億 円)を投じると発表しました。また、米オープンAIも日本進出を発表。

 

他にもマイクロソフトなど、米クラウド大手が今年に入って表明した対日投資額は計4兆円に迫っています。こうした米クラウド大手の日本のデータセンター重視の背景には何があるのでしょうか。

 

生成AIの普及と安全保障のリスクへの対応

 

背景にあるのは、生成AI(人工知能)の急速な普及です。利用企業の間では基盤となる大規模言語モデルの学習や運用に使うクラウドサービスのニーズが高まっています。ドイツの調査会社スタティスタは日本のデータセンターの市場規模が28年に約240億ドルに達し、23年の1.4 倍に膨らむと予測しています。

 

しかし、クラウドサービスの安全保障のリスクが浮上。日本経済新聞などの調査によると、約半数の企業が各国の捜査当局などからの開示請求に関する十分な規定を整えていないことが分かっています。日本はデータの保管を海外に依存している企業が少なくない中、検閲などの懸念がある中国やロシアにデータを置く企業もあり、対応が急がれています。

 

セキュリティーやプライバシー意識の高まりからも、各国・地域の規制当局は自国のデータを国内で管理するデータ主権の考え方を重視するようになっています。日本政府も個人情報保護法で国境をまたいだ個人データの移転を制限しています。日本の企業は機密データを国内で管理するよう求められつつあります。

 

こうしたニーズに応えるため、米クラウド大手は相次いで日本国内での大規模投資を打ち出しています。

 

また、日本重視の動きはAI分野に限りません。世界最大の半導体受託生産会社、台湾積体電路製造 (TSMC)は約1兆3000億円を投じて熊本県内に建設した工場で24年末までに演算用半導体の量産に乗り出します。約2兆円を投じ、27年の稼働に向けて第2工場の建設も決めました。

 

同社はこれまで台湾に生産拠点を集中させてきましたが、中国の侵攻リスクをにらみ日本や米国、ドイツなどに生産拠点を分散する戦略を進めています。熊本工場の建設はその一環ですが、半導体の需要地で関連産業が集まる日本の重要性はさらに高まる可能性があります。

 

このような情勢は今後も大手クラウドの動きに影響を及ぼすことになりそうです。

 

AIは日本の経済成長に不可欠な要素

 

地震国で電気代も高い日本におけるデータセンターのコストは海外に比べ割高とされていますが、クラウドサービスでマイクロソフトと競合する米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や米グーグルも国内で大規模なデータセンター投資に乗り出しています。

 

マイクロソフトのブラッド・スミス社長は日本について「人口が高齢化し減少する中、持続的な経済成長にとってAIは不可欠な要素だ」と語っています。

 

日本の経済成長に向けて、AIの可能性そして大手クラウドの動向に今後も注目していきたいと思います。

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2024.05.17

NVIDIAが「世界最強チップ」と謳う、次世代AI向け半導体 B200 GPUを発表

半導体大手エヌビディア(NVIDIA)は、2024年3月に次世代AI向け半導体 「Blackwell(ブラックウェル) B200」GPUを発表しました。

 

B200とは?

 

「ブラックウェル B200」は同社の従来製品と同じサイズの2つのチップを1つにまとめたもので、性能を大きく左右するトランジスタ数は2080億個と従来の主力製品「H100」の800億個の約2.6倍。

 

「H100」と比較し、AI向けの作業では3~5倍の処理能力があり、チャットボットからの回答を提供するなど、タスクによっては最大30倍の高速処理を実現、コストとエネルギー消費を最大25倍削減できるとのこと。

 

B200の料金は?

 

出荷は2024年後半の見込みで、料金も不明だが、おそらく「H100」「H200」よりも上昇すると予想されます。

 

しかしAmazon , Google , meta , Microsoft , Open AI , Oracle など主要な大手クラウドサービスプロバイダーがすでに新半導体を導入する見込みであるという発表からも、この技術が業界に与える影響の大きさが伺えます。

 

エヌビディアはAI技術の発展を加速させるだけでなく、産業界全体のキープレイヤーとしての地位を不動のものにしていくでしょう。

 

GPUの処理能力向上とともに、今後ますます盛んにAIが活用されていくことに疑う余地はありません。

 

生成AIの発達により、今までは生成が難しかった動画や音楽など、一定のデータ量が必要なコンテンツの増加も見込まれるため、今後ますますデータセンターの需要が高まっていくことでしょう。

引き続き業界の動向をウォッチしていきます。

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2024.04.25

【OpenAI】革新的な動画生成AI「Sora」とは?できることや作品例、料金、活用方法まで徹底解説!

2024年2月、Chat GPTで有名なOpen AI社が新たに「Sora」という動画生成AIを発表しました。しかし2024年4月現在、「sora」は一般ユーザーには公開されておらず、利用料金も不明です。

 

Soraは、OpenAIが開発した大規模言語モデルGPT-4をベースに、さらなる改良を加えた次世代のAIシステムです。

かんたんな文章で指示するだけで、最長1分の高品質な動画を簡単に作ることができることができます。 

これまでも動画生成AIはありましたが、数秒程度の動画しか作成できなかったため、長さもクオリティも「Sora」の圧勝です。

GPT-4を搭載する「Sora」の登場が世界全体を大きく変えていくことは間違い無いでしょう。

 

本記事では、動画生成AI「Sora」の概要や、料金、使用感、活用方法などを詳しくご紹介します。

 

「Sora」の作品例

 

以下の動画は、実際に「Sora」が作成した作品例です。

 

①風船頭

 

プロンプト:sunny, our balloon-headed boy, embodies the bluesky feeling of boundless potential that we felt when we first began using the tool. our heads filled with so many ideas, it felt like they might POP. 

 

和訳:太陽よ、風船頭の少年の頭の中は、、私たちがこのツールを使い始めたときに感じた、無限の可能性の青空のような感覚を体現しています。彼はたくさんのアイデアでいっぱいで、今にも浮かんできそうな感じでした。

 

 

②ゴールドレコードのいじめ

 

プロンプト:Exploring space-time with Sora. This isn’t going to replace the filmmaking process, rather, it’s offering an entirely new way of thinking about it. Not restricted by time, money, or other people’s permission, I can ideate and experiment in bold and exciting ways.

 

和訳:ソラと一緒に時空を探検。これは映画製作プロセスに取って代わるものではなく、映画製作プロセスについてまったく新しい考え方を提供するものです。時間、お金、または他の人の許可に制限されないので、大胆で刺激的な方法でアイデアを出し、実験することができます。

 

 

「Sora」の料金

 

Soraの料金は2024年4月現在、一般公開後の料金体系についてはまだ発表されていません。

 

しかしGhat-GPTなどこれまでのパターンから推察するに、無料版と有料版がリリースされ、一定以上の機能は有料版でしか使用できない、ということになるのではないでしょうか。

 

最初はすべてを無料公開し、後から一部機能を有償化することも考えられます。

 

「Sora」の活用方法

 

「Sora」の将来的な活用シーンについて、下記のようなことが予想されています。

 

1.映画やアニメーション動画

2.バーチャルリアリティ(VR)体験

3.教育用の解説動画やチュートリアル動画

4.ニュース速報や天気予報

 

5.商品プロモーションビデオ

6.SNS向けのショート動画

7.パーソナライズされたメッセージ動画の

8.不動産物件の内覧用バーチャルツアー動画

 

9.ファッションショーなど、仮想イベント動画

10.スポーツハイライトや解説動画の自動編集

11.医療や科学分野におけるシミュレーション動画

12.歴史的イベントや人物のドキュメンタリー動画

 

13.音楽ビデオやライブパフォーマンス動画

14.自動車や家電製品の取扱説明書の動画化

15.株式市場や金融データの可視化とレポート動画

16.建築設計やインテリアデザインのプレゼンテーション動画

 

17.災害時の避難経路や安全手順の説明動画

18.語学学習用の会話シーン動画

19.個人の思い出や記念日のカスタマイズ動画

 

これらは一例ですが、動画をいとも簡単に作成することができるため、視聴者の属性やニーズにあわせて、オリジナルのビデオを作成することができる点や、今まで作成が高価だったバーチャル映像が簡単にできる点が強みになりそうです。

 

動画生成AIとデータセンター

 

生成AI用途のデータセンター新設計画が相次いで発表されています。データ容量の大きい動画が簡単に作成できるようになる背景から、今後ますますデータセンターの需要は高まっていくものと思われます。

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2024.04.15

エヌビディア決算、大幅な増収増益で好業績

エヌビディアが2月21日、2024年1月期決算を発表しました。通期での売上高は609億ドル(前年比126%増)、営業利益は330億ドル(同7.8倍)でした。

 

第4四半期(11月〜1月)の売上高は221億ドル(前年比265%増)となり、会社予想の200億ドルを上回りました。営業利益に至っては136億ドル(同10倍)で、営業利益率は61%を超えました。

 

好業績を受けて、時間外株価は目下7%強の高騰。2〜4月期の売上予想は240億ドル(±2%)とし、「2024年、2025年とそれ以降も成長を続ける」と力強い見通しを示しました。

 

クラウド向けがデータセンター売上の半分

 

エヌビディアの業績を牽引するのは、依然としてデータセンター需要です。

 

データセンターの売上高は四半期ごとに増加しており、第3四半期の売上高は145億1000万ドルと279%増加しました。その前の四半期は103億2,000万ドルで、171%増。第1四半期は42億8000万ドルで14%増でした。

 

最新の四半期では、データセンター売上の半分以上が大手クラウドプロバイダーからのものだったといいます。

 

エヌビディアの創業者兼CEOであるジェンセン・フアン氏は、「加速するコンピューティングと生成AIは転換点を迎えている。企業、産業、国家を問わず、世界中で需要が急増している」として、データセンターの設置ベースは約1兆ドルに上り、今後 4、5 年の間に、世界中のソフトウェアを動かす 2 兆ドル相当のデータセンターが誕生すると主張しています。

 

今後もエヌビディアは独走状態か

 

今後もデータセンター需要は拡大することが予想されます。生成AI拡大にともなって高性能な半導体の需要は急増しており、独走態勢で受注を伸ばしています。

 

3月19日には、日立製作所がエヌビディアとAIサービスの開発で協業すると発表しました。鉄道やインフラ設備をデジタルの仮想空間で再現し、保守点検の効率化につなげる予定です。

 

また、自動運転技術の強化に向けて、エヌビディアと中国EV各社が提携を拡大することも発表されています。

 

独走状態は当面続きそうですが、エヌビディアの動向を追っていきたいと思います。

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2024.03.25

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