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TOPICS & NEWS

データセンターに求められるロケーション

近年、爆発的に増加するデータトラフィックに追従するかのように、長期的に収益を上げ続ける不動産投資としてデータセンターに注目が集まっています。

データセンターは、一般的な商業施設と比較しても非常に堅牢に設計されているため、資産価値が落ちにくく、投資先としての信頼性は高くなる傾向がありますが、実際に安定的に稼働し続ける(絶対に停止しない)ためには、立地の条件が非常に重要です。

今回は、安定的に稼働できるデータセンターを見極める立地条件を3つご紹介します。

 

1:通信遅延と冗長性への許容

 

データセンターに最適なロケーションは、通信遅延や冗長性(じょうちょうせい)に対しユーザーがどの程度許容できるかによって変わります。

通信遅延はほとんどの場合、データセンターとユーザー間の距離によって発生するため、レスポンスの速さが求められるシステムや、ビッグデータのリアルタイム処理など、高い通品質が求められる場合には、利用者が多い都市部に建設することが望ましいとされています。

その一方で、「一定の通信遅延は許容しつつ、広い敷地に大規模なデータセンターを建築して、膨大なデータを処理したい」というメガクラウドサービス事業者のニーズや、「データのバックアップを保管して災害に備えたい」という一般企業のニーズも存在します。

ネットワークの冗長性とは「異キャリア」及び「異ルート」の確保であり、「異キャリア」とは異なるキャリアのアクセス回線や接続サービスを組み合わせること。「異ルート」とは各回線経路が3km以上離れて敷設されていることを指します。データセンターはネットワーク接続されていなければ、ただの「箱」となってしまいます。

投資家はネットワーク環境を十分に調査した上で、データセンター投資案件を選別する必要があるのです。

 

2:電力確保

 

データセンターの投資価値の判断には、電力確保という観点も大切です。

データセンターでは、高性能なコンピューターを大量に、そして24時間365日、常に稼働させ続けるために、多くの電力を消費します。

IEAの2020年レポートによるとデータセンターの年間電力需要は約200TWhとされ、それは世界の最終電力需要の0.8%に相当します。日本の首都圏に限定すると、全消費電力のうち、データセンターは12%を占めるという調査結果もある程です。

全世界のインターネットのトラフィックが増え続け、世界のインターネットユーザーも2019年の38億人から2025年には50億人に達すると予測されている中、データ量は今後も増え続け、減ることはまず考えられません。

大量の電力を引き込むための工事は、場所によって費用や工期が大きく異なります。

変電所に近かったり、過去に大量の電力を使用していた工場の跡地などは短期間で比較的安価に送電を開始できる可能性がありますが、そのようなロケーションは限られているため、常に情報のアンテナを張り巡らせておくことが大切です。

 

3:自然災害への対策

 

日本は地震や台風、河川の氾濫など自然災害の影響を受けやすい国であるため、安定的な稼働に自然災害への対策という視点は欠かせません。

災害に強いロケーションとは、活断層が近場に存在せず、津波や高潮、集中豪雨などによる浸水の危険性を指摘されていない地域のことを指します。

実際にデータセンター投資を検討している投資家は、少なくとも以下の調査をしておきましょう。

 

『活断層図(都市圏活断層図)』
 (国土交通省国土地理院)
 全国にある都市圏の活断層図を閲覧できます。

 

『活断層の地域評価』
 (文部科学省研究開発局地震・防災研究課の地震調査研究推進本部事務局)
全国の対象地域に分布する活断層で発生する地震を総合的に評価した結果を確認できます。

 

『ハザードマップポータルサイト』
 (国土交通省)

 
台風や豪雨などによる水害の危険性のある地域や洪水想定、地震による津波の想定などを確認できます。

災害の多い日本では、お客様の大切なデータを守るために地震や台風などの自然災害に強く、その被害を最小限に抑えられるようなロケーションでデータを管理することが重要です。

立地は後からの対策が難しい要素であるため、データセンター投資の際は、慎重にロケーション選定を行いましょう。

TOPICS & NEWS

2022.09.12

「データセンター、海底ケーブル等の地方分散によるデジタルインフラ強靱化事業」総務省、第一回の採択結果から見るデータセンター事業の未来

採択事業者一覧

 

令和4年6月27日、総務省は「データセンター、海底ケーブル等の地方分散によるデジタルインフラ強靱化事業」の令和4年度1回公募採択結果を公表しました。

採択された事業者は以下の通り。

間接補助事業者

間接補助事業実施場所

合同会社石狩エネデータセンター第1号

北海道石狩市

ヤフー株式会社

福島県白河市

NTTグローバルデータセンター株式会社

京都府相楽郡

株式会社オプテージ及び合同会社KS東梅田

大阪府大阪市

ソフトバンク株式会社及びBBIX株式会社

奈良県生駒市

株式会社インターネットイニシアティブ

島根県松江市

株式会社QTent

福岡県福岡市

 

公募の目的は?

 

総務省はこの公募の目的について、大規模震災の発生等が予測される日本において、データセンター、海底ケーブル、インターネット接続点(IX)等のデジタルインフラを設置する支援を行い、地方分散による強靱な通信ネットワーク拠点の整備を行うことは、経済安全保障の観点等から、国内外のデータを「安全・安心」に蓄積・処理できるデータ・ハブとなることに貢献できる旨を掲げています。

 

データセンターを誘致したい地方自治体

 

これに先立ち、令和4年4月12日、経済産業省はデータセンターの新設に前向きな土地のリストを公式サイトで公開しました。

データセンター配置の最適化に向け、新設に前向きな地方公共団体と意見交換したところ、100を超える地方公共団体から候補地の提示があり、その多くは実現可能性に向けた検討段階であったこと、そしてデータセンター事業者などへの認知拡大を望む声もあったことから公表に至ったようです。

 

データセンター事業の未来は?

 

2021年に発表されたIDC Japan 株式会社の国内データセンターサービス市場の最新予測によると、2025年のデータセンターの国内市場規模は2兆7,987億円。2020年から2025年の年間成長率は12.5%になると予測されており、クラウド需要を背景に引き続き拡大すると期待されています。

 

また同社の調査によると、2021年から4年間ほどはデータセンターの新設が相次ぐと予測されており、この期間に新設される事業者データセンターは、延床面積ベースで毎年20万平方メートル(東京ドーム4個分)前後の見通しです。

 

ますます活性化するデータセンター投資から目が離せません!

 

デジタルインフラの知見を活かして、

オフバランス化をご提案します。

 

データセンターに代表されるデジタルインフラへの投資は、非常に高額で、かつ多様な情報収集が必要なため、スピーディーな意思決定ができずにビジネスチャンスを逸するケースが散見されます。私たちデジタルインフラ・ラボは、日本におけるデジタルインフラ投資を持続可能に促進するため、事業性評価、ファンドマネジメント及びアセットマネジメント、建設及び開発、そしてデータセンター運営の実務経験者が集っています。

 

デジタルインフラ領域の知見に基づくオフバランス化スキームを中心に、貴社にメリットのあるESG投資のご提案を致します。

 

詳しくはこちら

https://delta04.main.jp/dil/proposed-scheme/

 

引用・参考:
https://www.ciaj.or.jp/ciaj-wp/wp-content/uploads/2022/06/20220627saitaku.pdf
https://www.ciaj.or.jp/dc_inf/#inner_info
https://www.meti.go.jp/press/2022/04/20220412003/20220412003.html
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ48272821

TOPICS & NEWS

2022.08.09

MW単位の地中熱活用について

地中熱活用というと「地中熱発電」が思い浮かび、不安定さが指摘されます。
しかし、地中熱は常に一定の温度を維持しているため、熱交換により冷暖房にも利用できます。

デジタルインフラ・ラボは地中熱活用の権威である笹田 政克氏(地中熱利用促進協会 理事長)を訪問し、地中熱の活用状況について伺いました。
大型病院でのは空調設備でMW単位の活用事例もあり、ゼネコン等から笹田氏への問い合わせが増えているとのこと。

データセンター用地で人気があり、かつ地中熱活用に適しているエリアに関する情報を聞くこともできました。
具体的な提案に活用するべく、引き続き研究していきます。

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2022.06.27

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