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GPU市場ほぼ独占状態で話題のエヌビディアについて探る

今回は、今年5月末に時価総額が一時1兆ドルの大台に乗ったことで話題になった、アメリカの半導体メーカー・エヌビディアについて探ります。

 

エヌビディアの製造するGPU

 

エヌビディアが製造しているのはGPU(画像処理半導体)です。GPUは動画・画像・アニメーション表示などのディスプレー機能のために設計されたチップで、ゲーミングPCなどで映像をなめらかに表示するために用いられてきました。近年は、自動運転技術や暗号資産の採掘作業(マイニング)で高度な演算処理の担い手として脚光を浴びました。

 

今、このGPUの需要が拡大しています。その起爆剤となっているのが、「データセンター」とChatGPTに代表される「生成AI」なのです。

 

GPUと生成AIとデータセンター

 

これまでデータセンターにはCPU(Central Processing Unit)のみ搭載するケースが一般的でしたが、AIの普及によってCPUと併せて、GPUもデータセンターに搭載する流れが進みます。ただデータセンターの中でGPUが搭載されているものは全体の1〜2割程度でした。

 

それが、生成AIの普及によって事情が変わります。

 

画像生成や自然言語生成などの生成AIでは、学習によって作り上げたAIモデルを動かして結論を得る「推論」というプロセスが必要になります。ChatGPTに質問をした際、答えが返ってくるのは「推論」の結果です。推論プロセスでは、学習プロセスよりも多くの計算が必要になります。そのため、大量の計算に適したGPUも併せて搭載する必要があるのです。

 

今後、世界のほとんどのデータセンターで情報を生成する主要な作業が生成AIになることは明らかで、また10年間で、世界のほとんどのデータセンターにGPUが搭載されることになるだろうと言われています。

 

エヌビディアの直近四半期決算(5-7月期)では、深刻な供給不足で出荷量が需要に追いついていないにもかかわらず、データセンター部門の売上高がわずか3カ月で2倍以上に増加。アナリストらは同部門の売上高が来年度(25年1月期)には600億ドルを超え、昨年度(23年1月期)の4倍以上になると予想しています。

 

なぜエヌビディアはこれほど強力なリードを保っているのでしょうか。

 

GPU市場、エヌビディアがほぼ独占状態の背景

 

エヌビディアは非常に早い時期からAIを推進するための地位を築いていました。エヌビディアは2006年、開発業者がGPU向けアプリケーションを書くためのプログラミング言語である「CUDA」を発表。CUDAはその後のAI事業にとって重要な構成要素となったのです。

 

CUDAはやがてAI開発業者が利用する250のソフトウェアライブラリを擁するまでになり、この幅広さのおかげでエヌビディアは実質的にAI開発業者が大いに頼りにするプラットフォームとなったのです。

 

CUDAはライバルが到底乗り越えられない競争上の「掘」としてエヌビディアを守っています。バーンスタイン・リサーチ主催の7月の電話会議で、元エヌビディア副社長のマイケル・ダグラス氏は、エヌビディアが競合他社を引き離すための「矢筒の中の重要な矢」はソフトウェアだと指摘。エヌビディアのシステムの今後数年間にわたる性能向上の多くは「ハードウエア主導ではなくソフトウェア主導によるものだろう」と予想しました。

 

エヌビディアの独占状態の背景のカギは、ソフトウェアの開発にあったのです。

 

当面はエヌビディア1強が続く

 

当面はデータセンター向けのGPU市場はエヌビディアのほぼ独占状態が予測されます。

 

とはいえ競争は激しくなっていきそうです。インテルやAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)といったすでにGPUを扱っている半導体メーカーとの競争はもちろんのこと、グーグルやアマゾン、メタといった巨大IT企業も自社製のAI半導体の開発に乗り出しています。

 

更なる生成AIの進化とエヌビディアの動向とともに、GPUを扱う他の企業の動きにも注目していきたいと思います。

TOPICS & NEWS

2023.10.26

AI活用の拡大とデータセンター需要

デジタル技術の進展やスマートフォンの普及によりAIの需要が急速に拡大、そして企業などの情報サーバーを保管するデータセンターの需要も拡大しています。

 

そもそも、AIの需要が拡大することでデータセンターが必要になるのはなぜでしょうか。

 

AI活用の拡大とデータセンター

 

「DX」(デジタルトランスフォーメーション)と呼ばれる社会のデジタル化が進んでいます。ビジネスではAIを活用する場面が広がり、AIが質問に自然な文章で答える「ChatGPT」も脚光を浴び、スマートフォンの買い物サイトや交流サイト(SNS)、ゲームアプリなど、すばやい情報処理を求められるサービスは増え続けています。

 

日々AIの利用規模が拡張し、要求が多様化する今、企業は安定かつ安全なデータ・システムの運用を必要としています。

 

データセンターは、IT機器、ネットワーク機器やサーバーを安全に保管しておく専門の施設。IT機器を自社で管理すべき際も、十分なスペース・セキュリティ対策がない場合があります。これら様々な問題を解決するために、データセンターを利用する企業が増えています。データセンターは、IT機器の運用や管理に優れており、いろいろな企業の要求を満たすことができるのです。

 

AIの大量導入でデータセンターへの投資も拡大

 

2022年11月以降、ChatGPTの大成功に象徴されるように、AIの大量導入はカリフォルニアのゴールドラッシュのような関心を呼びました。投資市場は、NVidia、Google、Microsoftのような広範な研究開発努力によって先行者利益を獲得した先駆的企業に報いるために、シリコンバレー投資の時流に再び乗ります。投資家たちは当然ながら、ハイリスク企業や赤字企業を避けながら、次の受益者グループを探しています。

 

NVidiaの2024年第1四半期決算説明会は、AIサプライチェーンにとって転換点になりました。Nvidiaのハードウェアに対する直近の驚異的な需要の伸びが強調され、アナリストは通年の売上高予想を約40%上方修正したのです。(出典:Refinitiv)

 

2023年5月24日に行われた投資家向け決算説明会で、予想を上回る売上高見通しを説明する際には、同社は56回以上も「データセンター」について言及。同社の高度なGPUが、高性能で安全かつ安定したデータセンター環境に全面的に依存していることが明らかとなったのです。

 

AI対応のデータセンターの問題点

 

AI対応のデータセンターには問題点もあります。機械学習とAI活用は、HPCサーバーやGPUサーバーに多くの電力が必要になります。これらのサーバーは多大な電力を消費するため、基本、1ラック内に複数収まりきらないのが現状です。その結果電力供給が追い付かないため高密度に高性能サーバーを設置できないという問題を抱える企業が増加しています。HPCサーバーやGPUサーバーの大量電力消費は抑えられないため、サーバーは大量の熱が溜まり、適切に冷却する必要があります。そのためAI対応のデータセンターには、節電技術や空調技術の向上が更に求められています。

 

まとめ

 

今回は、AI活用の拡大とデータセンター需要について説明してきました。

 

データセンターは、今後もデジタル経済を支える重要なインフラとして、消費者や企業に新しいAIツールを提供する上で重要な役割を果たすことになります。また企業の技術動向・ビジネスニーズに合わせたサービスの提供が求められていくでしょう。

 

データセンター事業者は問題点などについても慎重に見極めながら議論を進めて、DXの波に乗っていってほしいと思います。

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2023.10.18

データセンターの液体冷却市場の拡大、その背景と課題

データセンターの液体冷却の世界市場は、予測期間(2023年から2028年)の間に26億米ドルから78億米ドルに達し、24.84%の平均成長率(CAGR)になると予測されています。

 

最新の調査によると、世界のさまざまな地域の中で、アジア太平洋地域が予測期間中にデータセンター液体冷却市場で最も急成長する地域となる見込みです。アジア太平洋地域では、持続可能なプラクティスとグリーンデータセンターの価値に対する認識が高まっています。

 

液体冷却システムとは

 

データセンターから排出される温室効果ガスを削減するため、再生可能エネルギーを利用したグリーン・データセンターの構築や、エネルギー効率の高いソリューションの開発が加速しています。現在の推計では、データセンターは世界の総電力量の約3%を消費、データセンターで使用されるエネルギーのほぼ大半は冷却に関連しています。

 

液体冷却システムは、水やその他の液体を使用して、データセンター内のサーバーやその他の機器を直接冷却するシステムです。これらのシステムは、空気ベースの冷却システムよりも効率的ですが、専用の機器とメンテナンスが必要。データセンターにとって冷却は、機器が最適な温度で動作し、システム障害やデータ損失につながる過熱を避けるために不可欠です。

 

液体冷却市場拡大の背景

 

技術の進歩により、液体冷却の保守が簡単になり、拡張が容易になり手頃な価格に。その結果、ビルトインの高温多湿の気候のデータセンターでは液体の使用量が15%以上削減され、涼しい地域では80%削減されました。液体冷却専用のエネルギーは、建物や水を加熱するためにリサイクルでき、高度なエンジニアリングクーラントの適用により、空調の二酸化炭素排出量を効果的に削減します。

 

液体冷却のその他のさまざまな利点には、空気冷却と比較してより高い容量、はるかに大きな容量で同じ冷却を提供すること、高出力密度コンポーネントを直接適用することによる全体的な容量要件の削減、および効率的な熱除去が含まれます。直接液体冷却方式で使用される誘電性液体は、効果的に熱を吸収。したがって、より多くのハードウェアをより少ないスペースに挿入できるため、ハードウェアを収容するための追加スペースの必要性が低くなります。

 

液体冷却は、データセンター市場、特にAIやMLのワークロードをサポートする高性能コンピューティングアプリケーションで最も人気のある冷却技術と報告されています。Googleのような業界をリードする企業は、既存のデータセンター・インフラをこの技術に対応するように改修することで、最新のAIハードウェアに液体冷却を採用しています。

 

同様に、メタ(旧フェイスブック)は最近、同社の設備に特化した新しいAI設計を開発する計画を明らかにしました。

 

課題に直面する運営者

 

一方、冷却システムの採用を希望するデータセンターの運営者は、適応性の要求から大きな課題に直面しています。データセンターは複雑で、膨大な数のサーバーが配置され、量、タイミング、場所の不確実性を伴います。このような高密度で冷却する場合、多くの余分な費用が発生します。データセンターの要求を満たすには、適応性と拡張性が必要です。企業は、現在の冷却システムが将来的に増加するサーバーの負荷をサポートできるかどうか心配しています。そのため、インフラの変更が頻繁に行われ、企業は新しい冷却システムにあまり投資したがらないのです。

 

データセンターの運営者は、新しい冷却システムに移行する際の潜在的なダウンタイムの損失に注意しています。したがって、運用費を見落とし、時代遅れの冷却システムを使い続けています。この傾向は、テストされていないと認識されている新しいテクノロジーの採用を遅らせます。

 

間接冷却が大きな市場シェアを占める見込み

 

間接冷却は、今後重要な市場シェアを占めると予想されます。

 

間接または直接チップ冷却は、液体からチップ、間接、または直接チップ冷却システムを含む、最も一般的な液体冷却方法です。間接冷却または液体からチップへの冷却は、直接チップまたはコールドプレート冷却とも呼ばれ、サーバー内部のコールドプレート上の冷却剤と冷水ループを使用して熱を外部に運びます。

 

データセンターは現代においてかつてないほどの計算量とコア数が要求されるアプリケーションに突入しています。データセンターの運営者は、高密度化と、従来の空気冷却が限界に達したときに課せられる課題について再考する時期が来ているのかもしれません。

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2023.09.27

エッジデータセンター市場2023年から2031年にかけて大幅な成長予測

エッジデータセンター市場について、2023年から2031年にかけて推定年平均成長率(CAGR)22%で大幅な拡大が見込まれています。

 

ResearchAndMarketsによると、この急増は、低遅延データ処理とストレージソリューションに対するニーズの高まりに起因しています。エッジデータセンターはエンドユーザーに近接しているため、データ処理が高速化し、ネットワークの混雑が緩和されます。

 

その主な要因になっているのは、アジア太平洋地域、特に中国、日本、インドでは、人口の増加、スマートフォンの利用率の上昇傾向、スマートシティの推進などが、エッジデータセンターの需要を促進しているということです。また、クラウドサービスの導入拡大や電子商取引の拡大も、アジア太平洋地域での市場急成長の要因となっています。

 

インドでは、インドのデジタルテクノロジー企業であるVaranium Cloudが、2月にインドのマハラシュトラ州シンドゥードゥルグのクダールに、同社のブランドであるHydraで2つ目のエッジデータセンターを立ち上げると発表。

同社によると、エッジデータセンターは輸送用コンテナ内に設置され、アクセス性を高めると同時に、国内の最も遠隔な地域でも効果的なデータ共有と通信を可能にします。また、小型で持ち運びが可能なため、国内のどの場所にも簡単に持ち運ぶことができます。

 

エッジデータセンターとは

 

そもそもエッジデータセンターとはどのようなデータセンターなのでしょう。

 

エッジデータセンターとは、近距離にデータセンターを設けることでネットワークの遅延を防ぎ、低遅延の処理を可能とさせるデータセンターです。IT用語としてのエッジとは「ユーザの端末の近く」という意味です。

 

エッジデータセンターの利点は、広域な通信網を整備する必要がなく、強固なセキュリティを確保できることです。

 

インターネットなどを介してエッジデータセンターへ接続する場合、エッジサーバーの活用が有効。なるべく現場の近くにコンテンツを置くことで通信経路を安定させ、う回路を利用した通信によって遅延を防止することが可能です。

 

エッジデータセンターの活用状況

 

一般的に、エッジデータセンターはエンドユーザーとのレイテンシ能力から通信会社に好まれていますが、他の多くの分野でも不可欠なものとなっています。

 

医療業界では電子カルテの導入が進み、患者さんの膨大なデータが蓄積されてきました。膨大なデータの保存、高いセキュリティレベルで情報を管理するためにエッジデータセンターの活用が進められています。

 

エッジデータセンターを活用すれば、通信遅延が起きることなく適切な医療行為を行うことができます。

 

金融業界では、エッジデータセンターの活用によって、遅延のないスムーズな取引が可能となります。大量のデータを処理し、安全な通信が確保されることで、より多くの利益を得ることが可能です。

 

特定のアプリケーション用にプログラムされ、データを送信するハードウェアであるIoTデバイスも、特に時間が重要なシナリオでは、積極的な加入者となります。予知保全が存在する製造業でも、エッジ設備が在庫管理の効率化を支援することができます。

 

エッジデータセンター通信の分散化に貢献

 

コロナ禍の影響でテレワークをする人が増え、WEB会議などオンラインのコミュニケーションが一般的になりました。

 

リモートで仕事ができるようになったことで、世界中の通信トラフィックは増加傾向にあります。またサブスクのサービスを展開する企業が増えたことも、個人の通信規模が増えている要因となっています。

 

このような背景から大型のデータセンターに通信が集約されるため、データセンターの拡充が進化しています。しかし通信先が一極化すると、災害が発生した際に社会のインフラへ大きな影響を与えてしまう可能性もあります。

 

エッジデータセンターが注目されているのは、通信の分散化に貢献するという目的もあるのでしょう。

 

エッジデータセンター市場拡大に向けて

 

高速で遅延のない通信環境構築のためには、エッジコンピューティングが必要です。クラウドコンピューティングとエッジコンピューティングをうまく組み合わせて、ネットワークの設計を行うことが重要になります。

 

IoTに取り組む企業やサービス提供者は、エッジデータセンターの特徴をよく理解した上で、新しいインフラ環境の構築を検討することが必要になりそうです。

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2023.09.15

デジタル庁、政府クラウドの選定要件を緩和へ

デジタル庁は、政府や地方自治体が共同利用する政府クラウド(ガバメントクラウド)の提供事業者に関する選定要件を緩和する方針を表明しました。

 

政府クラウドとは、政府と地方自治体が利用するクラウドサービスの共通基盤のことを指しています。ガバメントクラウドと呼ばれ、政府は2025年度末までに税金や国民年金など市町村が担う20の基幹業務に関するシステムを政府クラウドで利用できる体制にする目標を掲げています。

 

330ほどの要件を1社で満たす必要がある現行ルールを改定し、企業連合での参入を可能にします。これによって外資に依存する政府クラウドに、国内企業が参入しやすくなる可能性があります。

 

これまでの多岐にわたる選定要件を単独で満たせる事業者は決して多くありませんでした。2022年度の公募では、セキュリティーや業務継続性などの技術要件を満たす米国企業のクラウドサービスが存在感を発揮、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のほか、グーグル、日本マイクロソフト、日本オラクルの4社のみが選定。

 

国内企業は事業規模やサービス内容などで要件を満たせず、特にシステムの開発から運用支援する体制の構築や、複数のデータセンターを使ったサービス、人工知能(AI)が機械学習する開発環境の提供などがハードルとなっています。

 

1社で実現できるのはAWSやグーグルのような「ハイパースケーラー」と呼ばれる巨大IT(情報技術)企業に限られています。

 

同庁は8月中にも、政府クラウドの提供事業者に関する新たな選定要件を発表して公募を始めるものとみられます。選定された事業者には、新要件は現行の項目をおおむね維持しつつ、データ管理や認証などの中核技術を自社で担っていれば他社と共同でサービス提供できることを認めます。

 

政府クラウド事業者の選定は10月下旬に決定される予定。

 

選定要件緩和の背景

 

今回の選定要件の緩和の背景には

「政府クラウドを保管・提供するクラウド事業者の選定基準を見直すべきだ」

という日本企業、クラウド事業者からの声が高まっていることがありました。今後は、さくらインターネットやインターネットイニシアティブのような企業が、国内クラウド市場に参入する新たなチャンスをつかむ可能性は極めて高いと考えられます。

 

しかしこうした改正にもかかわらず、デジタル庁は、自治体が事業者を選定する権利は維持されると述べています。つまり、今回の改正が実際の選定にもたらす変化は限定的なものにとどまる可能性も。

 

政府クラウドに複数企業での共同参入を要望しているクラウド事業者は少なくありません。要件緩和後の選定結果に期待と注目が集まりそうです。

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2023.08.31

国内企業データセンター事業、投資の活発化とその背景

今回はまず、国内企業のデータセンター事業の現状、今後の意向を見ていきたいと思います。

 

NTT

 

今後5年間で1・5兆円以上をかけて、データセンターを増やす意向を示しています。最も増やす場所はインドで、2025年度までに現在の12か所から24か所程度に増やす予定で、ここには海外IT大手の進出や人口増など、潜在的な需要が見込まれます。北米にも14か所から23か所に増やしたいと述べています。

 

ソフトバンク

 

ソフトバンク株式会社は、米半導体大手エヌビディアと共同で、生成型人工知能と5G/6Gアプリケーションのプラットフォームを構築して、日本国内の新しいAIデータセンターに導入することを目指しています。

 

このアプリケーションは、エヌビディアのチップ技術に基づいています。そしてソフトバンクは、コスト削減とエネルギー効率の向上を図るため、マルチテナント型の共通サーバープラットフォーム上で生成AIと無線アプリケーションをホストできるデータセンターの構築を計画中です。

 

関西電力

 

関西電力(KEPCO)は、米国のデータセンター事業者 CyrusOneと共同で、900MWの事業規模を達成するという野心的な目標を掲げ、日本でのデータセンター開発に取り組みを始めています。CyrusOne KEPの合弁会社は、ハイパースケールプラットフォーム企業の需要に対応するために特別に調整された新しいデータセンターの開発に焦点を当て、データセンターのインフラをより広範な電力網と連携させることで、この業界における回復力、効率、スマートな開発を強化することを目指します。

 

このように日本国内企業のデータセンター業界は活発化して、プラス成長を遂げているようです。

 

では、この背景には、なにがあるのでしょうか。

 

データセンター業界活発化の背景

 

その背景には、生成AI(人工知能)など、デジタル化の進行があります。データに基づいて意思決定するデータ・ドリブンの社会になれば、データが加速度的に蓄積されていきます。

 

データセンター事業に注力するNTTの島田明社長は、

 

「30年以降に、(電子の代わりに)光を使う半導体を開発したい。研究開発に年間1000億円を投資していく。手始めに、光を使った関連部品の製造を25年以降に始める予定だ。通信機器やサーバーに組み込むほか、より一般的な電子機器への応用も目指す。」

 

と、データセンター事業が、半導体開発と密接にリンクしていることを示唆しています。

 

光を使った半導体であれば、電力消費が圧倒的に少なくなるので、持続可能性の観点からも時代に合っていると言えます。

 

ソフトバンクの宮川潤一社長は、

「AIと共存する時代に入りデータ処理と、電力需要が急速に増加する。日本でのデジタル化社会を支えるための次世代社会インフラの提供を目指す」

 

としています。

 

生成AI(人工知能)の発達の目覚ましい今日。成長戦略について展開するサービスを高度化させる、転換期にきているのかもしれません。

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2023.08.10

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