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ソフトバンクグループがオープンAIと共同プロジェクトを発表

202412月、アメリカのトランプ大統領と通信大手ソフトバンクグループの孫正義社長の記者会見の模様が話題になりましたが、そんなソフトバンクグループから2025年に入ってまた新たに発表がありましたので紹介していきます。

  

4年間で5000億ドルという巨額投資「Stargate Project」

  

2025122日、ソフトバンクグループはOpenAIと共同で、大規模なAIインフラストラクチャ構築プロジェクト「Stargate Project」を発表しました。米国におけるAI分野でのリーダーシップ確立と、世界経済への貢献を目的としたプロジェクトとしています。

  

Stargate Projectでは、今後4年間で5000億ドルという巨額の投資を行い、そのうち1000億ドルは直ちに投資される予定。この投資は、単にデータセンターやAIインフラを整備するだけでなく、数十万もの米国における雇用創出や、米国の産業再活性化、さらには米国とその同盟国の国家安全保障強化にもつながる重要な基盤になると期待されています。

  

プロジェクトには、ソフトバンクグループ、OpenAIに加え、Oracle、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに拠点を置く人工知能(AI)に特化した投資会社のMGXが初期出資者として名を連ねています。ソフトバンクグループが財務管理を、OpenAIが運営を担い、孫正義氏が会長に就任。主要テクノロジーパートナーには、ArmMicrosoftNVIDIAOracleOpenAIが含まれており、これらの企業が緊密に連携し、コンピューティングシステムの構築と運営を行うとのこと。

  

AIインフラの構築は既にテキサス州で開始されており、全米の候補地でキャンパス建設の契約締結を進めています。Stargate Projectは、OpenAINVIDIA2016年から築いてきた協力関係、そしてOpenAIOracleの最近の提携に基づいたものです。また、OpenAIMicrosoftの既存のパートナーシップも活用。Azureの利用を拡大しながら、リーディングモデルのトレーニングや高品質な製品・サービスの提供を目指すとしています。

  

進むAI・半導体産業への投資

  

AIのデータセンターなどさまざまなAI関連の投資を行うことを表明するなど、ソフトバンクグループの孫社長が存在感を見せる中、国内では政府が月内にまとめる総合経済対策に盛り込むAI・半導体産業支援策の概要が明らかになりました。2030年度までに10兆円以上の支援を行い、このうち次世代半導体の研究開発補助金などに6兆円程度、政府による出資や債務保証などの金融支援に4兆円以上を充てるとしています。

  

なお、ソフトバンクグループとOpenAIは、202523日に合弁会社「SBオープンAIジャパン」を設立しました。企業向けの生成AI(人工知能)サービス「クリスタル・インテリジェンス」を開発・販売し、企業の業務効率化を支援するとしています。ソフトバンクグループは、開発・運用の費用としてオープンAIに年間約4500億円を支払います。

 

このような背景もありデータセンター、AI・半導体産業投資は国内でも進行していくことが予想されます。ソフトバンクグループとOpenAIの動向も含めて、今後の日本、そして世界の経済成長に寄与する投資につながっていくのかどうか、その成果が問われていくことにもなりそうです。

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2025.02.14

シャープ、堺市液晶パネル工場一部売却、AIデータセンター構築へ

昨年稼働停止したシャープの液晶パネル工場(堺市、敷地面積=80万平方メートル)が、IT業界の注目を集めています。

広大な工場の敷地と建屋を人工知能(AI)向けのデータセンターにしたいソフトバンクとKDDIから協力を求められ、シャープはそれぞれと「合意した」と公表。

この件について12月に大きな発表がありましたので紹介していきます。

  

KDDIとAIデータセンター構築に関する基本合意書を締結

  

129日、シャープとKDDIは、堺工場跡地にAIデータセンターを構築して早期に稼働させることに合意し、基本合意書を締結したことを発表しました。

  

KDDIは、堺工場跡地の土地や建物、電源設備などを譲り受けることで、2024年度中にAIデータセンターへの転換工事に着工し、2025年度中に本格稼働させることを目指すとしています。

  

シャープは、売却を通じたアセットライト化により、ブランド事業を中心とした事業構造を確立していくとともに、KDDIによる速やかなデータセンターの構築に協力していくとのこと。

  

シャープとKDDIは、AIデータセンターの構築を通じて、各産業・各業界のビジネスパートナーとともに事業を通じた持続可能な社会の構築を進め、日本全体の活性化に貢献していくとしています。

  

ソフトバンクに1000億円で工場一部売却

  

1220日には、堺工場跡地の土地や施設の一部をソフトバンクに売却すると発表。

  

売却額は約1000億円。ソフトバンクはAI向けデータセンターを構築する計画で、データ処理に使う画像処理半導体(GPU)の調達を含めると総投資額は数千億円規模に達する可能性があります。

  

データセンターは2025年度中に着工し、2026年の稼働開始を目指すとしています。規模を示す電力容量は開始時に国内最大級の150メガワット程度を見込み、早期に250メガワットまで引き上げ、GPUは米エヌビディアから次世代AI半導体「B200」などを購入する予定です。

  

ソフトバンクは各地の主要都市にデータセンターを整備する計画を掲げています。堺は関西エリアの大型拠点という位置づけに。生成AIの基盤となる独自の大規模言語モデル(LLM)の開発・運用に使うほか、外部企業などへの貸し出しも想定しています。

  

堺工場跡地の動向2025年も注目を

  

シャープは液晶パネル事業の代わりに、家電製品などの「ブランド事業」中心の収益構造に転換する方針を掲げています。売却で得た資金はブランド事業の強化に振り向けるとみられます。

  

堺工場跡地を巡っては積水化学工業も一部取得を検討しているとの情報もあり、2025年も動きがありそうです。今後も状況を紹介していきたいと思います。

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2025.01.27

公正取引委員会、米巨大IT企業へは初のグーグルに排除措置命令へ 

千葉県印西市に続いて、広島、和歌山へのデータセンター建設をリリースするなど、日本に対して大規模なデータセンター投資を行っているグーグル。欧米では、グーグルをはじめとする巨大テクノロジー企業に対する、規制当局からの監視が強まっています。また日本の公正取引委員会もグーグルへの監視を強化しています。

  

グーグルに独占禁止法に違反の疑い

  

インターネット検索最大手のアメリカの「グーグル」が、スマートフォンのメーカーに対し、自社のアプリを優遇させるなど独占禁止法に違反したとして、日本の公正取引委員会が違反行為の取りやめなどを求める排除措置命令を出す方針を固めたことが分かりました。

  

公正取引委員会は、グーグルがAndroid端末メーカーに対し、販売するスマートフォンに「Google Play」アプリをプリインストールを許諾する条件として「Google Search」アプリや「Google Chrome」アプリなど、いくつかの自社アプリを併せてプリインストールさせるとともに、それらアプリのアイコンの表示位置を細かく指定したライセンス契約を締結させているとの疑いがあるとして昨年10月に調査を開始。同時に第三者からの情報や意見の募集も実施していたとのこと。

  

Android端末でGoogle Playが利用できなければ、ユーザーは使いたいアプリのインストール用パッケージをインターネット上から探し、発見できればそれをダウンロードして、手動でインストールしなければなりません。そのため大多数のユーザーは、グーグルの要求に従うほかなく、これは独占禁止法が禁じる「拘束条件付き取引」に該当するのではないかと考えられています。

  

競合他社の検索アプリを搭載しないことを条件に、検索と連動する広告サービスで得た収益を分配した疑いもあるとのこと。

  

公正取引委員会は、グーグルがこうした取り引きで遅くとも2020年以降、競合他社を排除して自社を優遇し取引先の事業を不当に制限するなど独占禁止法に違反した疑いがあるとして、違反行為の取りやめなどを求める排除措置命令を出す方針を固めたということです。

  

もし、排除措置命令が出されれば、アメリカの巨大IT企業への初の措置ということになりますが、公正取引委員会はまず文書で通知を行い、それに対する意見をグーグルから聴取したうえで最終的に処分を決定することになります。

  

世界的に強まる規制当局からの監視

  

アメリカでは昨年8月、司法省がグーグルの検索サービスにおける独占的立場を解消するため起こした反トラスト法(アメリカの独占禁止法)訴訟において、裁判所が司法省の主張を認める判決を下しました。9月上旬には、同司法省がエヌビディアの強制調査に乗り出したことが明らかになっています。

  

そのような中で、日本の公正取引委員会がアメリカの巨大IT企業に排除措置命令を出すのは今回が初めてということもあり、今後の展開に注目が集まっています。

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2025.01.21

中国データセンター事業大手GDS、府中市にデータセンター建設を発表

中国のデータセンター事業大手GDSは、国際事業子会社のGDS Internationalを通じて、海外進出を加速させています。今回はGDSが日本市場進出を発表したことについて紹介していきます。

  

中国データセンター事業大手GDS

  

GDS2006年に設立され、同社は現在、蘇州昆山、成都、上海、深圳、北京を含む中華圏で数十のデータセンターを運営しています。

  

子会社のGDS International2022年に設立され、シンガポールを本社とし、中国本土以外でのデータセンター建設と運営を行っています。現在は香港、シンガポール、マレーシア、インドネシアで事業を展開中です。

  

Gaw Capitalと提携して都内にデータセンター建設を発表

  

GDSは、香港に本拠地を置く不動産プライベート・エクイティ企業Gaw Capitalと提携し、東京都内に総容量40メガワット(MW)のデータセンターパークを共同で建設すると発表しました。

  

Gaw20224月に東京都府中市の府中インテリジェントパークにある府中ビルを取得。GDSGawは、その府中インテリジェントパークの内の区画にキャリアニュートラルなデータセンターパークを開設し、安全で拡張可能な最先端のデジタルインフラに対する巨大な需要を満たす計画です。

  

区画の総面積は10,970平方メートル(118,080平方フィート)で、第1期は2026年末の稼働開始が予定されており、すでにGDSに対して発注の意向を示した顧客もいるそうです。 

  

GDSの黄偉・会長兼最高経営責任者(CEO)は日本の市場規模、アジア太平洋地域の3大データセンター市場の1つであることと、人工知能(AI)の需要の急拡大について触れ「当社のグローバル事業の急成長を確信している」としています。

  

日本経済新聞によると、東京圏でデータセンターが急増しており、施設規模は今後35年で倍に膨らんでシンガポールを抜き、アジア首位の北京に迫る見通しとされ、そういった状況もGDSの日本進出の要因の1つであったことが予想されます。

  

中国データセンター企業初日本進出で注目を集めるGDS

  

今回は、中国データセンター企業初の日本市場進出ということで注目されている発表について紹介していきました。  

GDSのデータセンター建設について更なる詳細が分かり次第、また状況をお伝えしていきます。

 

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2024.12.24

大林組、新会社設立、都市型データセンター開発事業に参入を発表

人工知能(AI)技術の進歩やクラウドサービスの利用拡大により、データセンター市場は急速な成長を続けています。今回は、国内のデータセンター事業に関して、大手建設会社「大林組」から注目すべき発表がありましたので紹介していきます。

 

都心部でデータセンター開発事業参入を発表

 

大林組は、都心部でのデータセンター開発事業に本格的に参入することを発表しました。11月末には新会社「MiTASUN(ミタサン)株式会社」を設立。東京都心部での都市型データセンターの開発・運営に乗り出します。

 

大林組がこれまでの建築事業や開発事業で培った知見を生かして、発注者として都市部のオフィスビルを小規模データセンターに改修、建て替えなどを進行します。8km圏内に複数の小規模データセンターを開設し、それらを専用光回線で接続してデータセンター群を構築。ハイパースケールと呼ばれる大規模データセンター相当の規模をデータセンター群全体で確保する予定です。

 

持続可能な社会の実現を目指すプロジェクト

 

MiTASUNは今後10年以内に、東京都心でのデータセンター開発に約1000億円を投資する方針を示しています。28年度に第1号プロジェクトとして、データセンター規模を示す受電容量が5.5MW程度の小規模データセンターを東京・三田に新築。また第1号から約6km離れた場所に、すでに都内での第2号となる用地も確保しており、31年度までに40MW級のデータセンター群の構築を目指しています。

 

さらに、他社とのアライアンスも積極的に推進し、以下の施策を展開する方針です。

 

・他社保有ビルのデータセンター化

・他のデータセンター事業者との相互接続

・持続的な施設規模の拡大

 

大林グループは、この新規事業を通じて都市インフラの高度化に貢献し、持続可能な社会の実現を目指すとしています。

 

都市型データセンター事業展開に期待

 

データセンターの需要は今後も拡大が見込まれており、特に都心部での需要は更に増加していくことが予想されます。大林組の都市型データセンター事業は、都市開発における新たなモデルケースとなるのでしょうか。大林組の建設事業で培った技術力と開発事業のノウハウを活かした展開に期待が高まります。

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2024.12.19

AIの普及による電力の課題、米国は原子力エネルギーを推進

人工知能(AI)の急速な普及に伴い、世界的にデータセンターの重要性が増加していることはこれまでもお伝えしてきました。

  

国内でも近年半導体関連の工場建設に加え、データセンターの新設が活発になっていますが、政府は2050年までにCO2など温暖化ガスの実質排出ゼロを目指しています。

  

データセンターで消費する大量の電力をどう確保するかなどの課題を抱える中、各社では再生可能エネルギーを利用し、二酸化炭素(CO2)の排出量を抑えながら、需要に対応できるよう工夫を凝らしている状況にあります。

  

今回は、その電力の課題に関連するところで、米グーグルからの発表がありましたので紹介していきます。

  

米グーグル、小型モジュール原子炉からの電力購入などを発表

  

グーグルは、米国次世代原子力発電のカイロス・パワーが開発・設置する小型モジュール原子炉(SMR)からの電力を購入する計画を発表しました。

  

2030年までに最初のSMRを稼働させ、2035年までに追加炉を展開することで、計7基のSMR500メガワット規模の電力供給を目指すとしています。

  

SMRは発電に必要なシステムや部品などを工場で組み立てた後、ユニット一式(モジュール)として設置場所に輸送することができるため、従来の原発と比べて建設の期間やコストの低減が期待されています。また、小型ゆえに、立地の選定が比較的柔軟にできるほか、冷却もしやすいため安全性が高いといわれています。

  

こうしたメリットから、次世代の脱炭素電源として米国を含め世界各国で開発が進められていますが、実装に当たっては、SMRがスケールメリットを発揮するまでの間、比較的高コストとなる電力の購入者を見つけるのが困難であることが課題の1つとして指摘されています。

  

グーグルにとってはAIデータセンターの電力需要に対応しつつ、自社の脱炭素化目標を促進する意味合いがあります。

  

政府も民間を後押ししています。米国政府は2050年までに原子力容量を3倍にする目標を掲げており、SMRの推進に向けて実証プロジェクトへの支援や燃料サプライチェーンの構築などの取り組みを進めている様子。

  

米国エネルギー省(DOE)は次世代SMR開発に最大9億ドルの支援を発表しており、SMRの開発と建設の促進のための官民の取り組みは活発化しています。

  

電力の課題、各国に迫られる対応

  

米国では、次々とIT大手が原子力エネルギーに投資しています。それに対して欧州、ドイツやイタリアでは脱原子力エネルギーの流れが加速中。原子力には日本も積極的といえる状況ではありません。

  

これからもAIの需要の高まりに応じて、電力の課題は各国で対応を迫られるところになりそうです。

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2024.11.27

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