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データセンターの液体冷却の世界市場は、予測期間(2023年から2028年)の間に26億米ドルから78億米ドルに達し、24.84%の平均成長率(CAGR)になると予測されています。
最新の調査によると、世界のさまざまな地域の中で、アジア太平洋地域が予測期間中にデータセンター液体冷却市場で最も急成長する地域となる見込みです。アジア太平洋地域では、持続可能なプラクティスとグリーンデータセンターの価値に対する認識が高まっています。
液体冷却システムとは
データセンターから排出される温室効果ガスを削減するため、再生可能エネルギーを利用したグリーン・データセンターの構築や、エネルギー効率の高いソリューションの開発が加速しています。現在の推計では、データセンターは世界の総電力量の約3%を消費、データセンターで使用されるエネルギーのほぼ大半は冷却に関連しています。
液体冷却システムは、水やその他の液体を使用して、データセンター内のサーバーやその他の機器を直接冷却するシステムです。これらのシステムは、空気ベースの冷却システムよりも効率的ですが、専用の機器とメンテナンスが必要。データセンターにとって冷却は、機器が最適な温度で動作し、システム障害やデータ損失につながる過熱を避けるために不可欠です。
液体冷却市場拡大の背景
技術の進歩により、液体冷却の保守が簡単になり、拡張が容易になり手頃な価格に。その結果、ビルトインの高温多湿の気候のデータセンターでは液体の使用量が15%以上削減され、涼しい地域では80%削減されました。液体冷却専用のエネルギーは、建物や水を加熱するためにリサイクルでき、高度なエンジニアリングクーラントの適用により、空調の二酸化炭素排出量を効果的に削減します。
液体冷却のその他のさまざまな利点には、空気冷却と比較してより高い容量、はるかに大きな容量で同じ冷却を提供すること、高出力密度コンポーネントを直接適用することによる全体的な容量要件の削減、および効率的な熱除去が含まれます。直接液体冷却方式で使用される誘電性液体は、効果的に熱を吸収。したがって、より多くのハードウェアをより少ないスペースに挿入できるため、ハードウェアを収容するための追加スペースの必要性が低くなります。
液体冷却は、データセンター市場、特にAIやMLのワークロードをサポートする高性能コンピューティングアプリケーションで最も人気のある冷却技術と報告されています。Googleのような業界をリードする企業は、既存のデータセンター・インフラをこの技術に対応するように改修することで、最新のAIハードウェアに液体冷却を採用しています。
同様に、メタ(旧フェイスブック)は最近、同社の設備に特化した新しいAI設計を開発する計画を明らかにしました。
課題に直面する運営者
一方、冷却システムの採用を希望するデータセンターの運営者は、適応性の要求から大きな課題に直面しています。データセンターは複雑で、膨大な数のサーバーが配置され、量、タイミング、場所の不確実性を伴います。このような高密度で冷却する場合、多くの余分な費用が発生します。データセンターの要求を満たすには、適応性と拡張性が必要です。企業は、現在の冷却システムが将来的に増加するサーバーの負荷をサポートできるかどうか心配しています。そのため、インフラの変更が頻繁に行われ、企業は新しい冷却システムにあまり投資したがらないのです。
データセンターの運営者は、新しい冷却システムに移行する際の潜在的なダウンタイムの損失に注意しています。したがって、運用費を見落とし、時代遅れの冷却システムを使い続けています。この傾向は、テストされていないと認識されている新しいテクノロジーの採用を遅らせます。
間接冷却が大きな市場シェアを占める見込み
間接冷却は、今後重要な市場シェアを占めると予想されます。
間接または直接チップ冷却は、液体からチップ、間接、または直接チップ冷却システムを含む、最も一般的な液体冷却方法です。間接冷却または液体からチップへの冷却は、直接チップまたはコールドプレート冷却とも呼ばれ、サーバー内部のコールドプレート上の冷却剤と冷水ループを使用して熱を外部に運びます。
データセンターは現代においてかつてないほどの計算量とコア数が要求されるアプリケーションに突入しています。データセンターの運営者は、高密度化と、従来の空気冷却が限界に達したときに課せられる課題について再考する時期が来ているのかもしれません。
2023.09.27
エッジデータセンター市場について、2023年から2031年にかけて推定年平均成長率(CAGR)22%で大幅な拡大が見込まれています。
ResearchAndMarketsによると、この急増は、低遅延データ処理とストレージソリューションに対するニーズの高まりに起因しています。エッジデータセンターはエンドユーザーに近接しているため、データ処理が高速化し、ネットワークの混雑が緩和されます。
その主な要因になっているのは、アジア太平洋地域、特に中国、日本、インドでは、人口の増加、スマートフォンの利用率の上昇傾向、スマートシティの推進などが、エッジデータセンターの需要を促進しているということです。また、クラウドサービスの導入拡大や電子商取引の拡大も、アジア太平洋地域での市場急成長の要因となっています。
インドでは、インドのデジタルテクノロジー企業であるVaranium Cloudが、2月にインドのマハラシュトラ州シンドゥードゥルグのクダールに、同社のブランドであるHydraで2つ目のエッジデータセンターを立ち上げると発表。
同社によると、エッジデータセンターは輸送用コンテナ内に設置され、アクセス性を高めると同時に、国内の最も遠隔な地域でも効果的なデータ共有と通信を可能にします。また、小型で持ち運びが可能なため、国内のどの場所にも簡単に持ち運ぶことができます。
エッジデータセンターとは
そもそもエッジデータセンターとはどのようなデータセンターなのでしょう。
エッジデータセンターとは、近距離にデータセンターを設けることでネットワークの遅延を防ぎ、低遅延の処理を可能とさせるデータセンターです。IT用語としてのエッジとは「ユーザの端末の近く」という意味です。
エッジデータセンターの利点は、広域な通信網を整備する必要がなく、強固なセキュリティを確保できることです。
インターネットなどを介してエッジデータセンターへ接続する場合、エッジサーバーの活用が有効。なるべく現場の近くにコンテンツを置くことで通信経路を安定させ、う回路を利用した通信によって遅延を防止することが可能です。
エッジデータセンターの活用状況
一般的に、エッジデータセンターはエンドユーザーとのレイテンシ能力から通信会社に好まれていますが、他の多くの分野でも不可欠なものとなっています。
医療業界では電子カルテの導入が進み、患者さんの膨大なデータが蓄積されてきました。膨大なデータの保存、高いセキュリティレベルで情報を管理するためにエッジデータセンターの活用が進められています。
エッジデータセンターを活用すれば、通信遅延が起きることなく適切な医療行為を行うことができます。
金融業界では、エッジデータセンターの活用によって、遅延のないスムーズな取引が可能となります。大量のデータを処理し、安全な通信が確保されることで、より多くの利益を得ることが可能です。
特定のアプリケーション用にプログラムされ、データを送信するハードウェアであるIoTデバイスも、特に時間が重要なシナリオでは、積極的な加入者となります。予知保全が存在する製造業でも、エッジ設備が在庫管理の効率化を支援することができます。
エッジデータセンター通信の分散化に貢献
コロナ禍の影響でテレワークをする人が増え、WEB会議などオンラインのコミュニケーションが一般的になりました。
リモートで仕事ができるようになったことで、世界中の通信トラフィックは増加傾向にあります。またサブスクのサービスを展開する企業が増えたことも、個人の通信規模が増えている要因となっています。
このような背景から大型のデータセンターに通信が集約されるため、データセンターの拡充が進化しています。しかし通信先が一極化すると、災害が発生した際に社会のインフラへ大きな影響を与えてしまう可能性もあります。
エッジデータセンターが注目されているのは、通信の分散化に貢献するという目的もあるのでしょう。
エッジデータセンター市場拡大に向けて
高速で遅延のない通信環境構築のためには、エッジコンピューティングが必要です。クラウドコンピューティングとエッジコンピューティングをうまく組み合わせて、ネットワークの設計を行うことが重要になります。
IoTに取り組む企業やサービス提供者は、エッジデータセンターの特徴をよく理解した上で、新しいインフラ環境の構築を検討することが必要になりそうです。
2023.09.15
デジタル庁は、政府や地方自治体が共同利用する政府クラウド(ガバメントクラウド)の提供事業者に関する選定要件を緩和する方針を表明しました。
政府クラウドとは、政府と地方自治体が利用するクラウドサービスの共通基盤のことを指しています。ガバメントクラウドと呼ばれ、政府は2025年度末までに税金や国民年金など市町村が担う20の基幹業務に関するシステムを政府クラウドで利用できる体制にする目標を掲げています。
330ほどの要件を1社で満たす必要がある現行ルールを改定し、企業連合での参入を可能にします。これによって外資に依存する政府クラウドに、国内企業が参入しやすくなる可能性があります。
これまでの多岐にわたる選定要件を単独で満たせる事業者は決して多くありませんでした。2022年度の公募では、セキュリティーや業務継続性などの技術要件を満たす米国企業のクラウドサービスが存在感を発揮、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のほか、グーグル、日本マイクロソフト、日本オラクルの4社のみが選定。
国内企業は事業規模やサービス内容などで要件を満たせず、特にシステムの開発から運用支援する体制の構築や、複数のデータセンターを使ったサービス、人工知能(AI)が機械学習する開発環境の提供などがハードルとなっています。
1社で実現できるのはAWSやグーグルのような「ハイパースケーラー」と呼ばれる巨大IT(情報技術)企業に限られています。
同庁は8月中にも、政府クラウドの提供事業者に関する新たな選定要件を発表して公募を始めるものとみられます。選定された事業者には、新要件は現行の項目をおおむね維持しつつ、データ管理や認証などの中核技術を自社で担っていれば他社と共同でサービス提供できることを認めます。
政府クラウド事業者の選定は10月下旬に決定される予定。
選定要件緩和の背景
今回の選定要件の緩和の背景には
「政府クラウドを保管・提供するクラウド事業者の選定基準を見直すべきだ」
という日本企業、クラウド事業者からの声が高まっていることがありました。今後は、さくらインターネットやインターネットイニシアティブのような企業が、国内クラウド市場に参入する新たなチャンスをつかむ可能性は極めて高いと考えられます。
しかしこうした改正にもかかわらず、デジタル庁は、自治体が事業者を選定する権利は維持されると述べています。つまり、今回の改正が実際の選定にもたらす変化は限定的なものにとどまる可能性も。
政府クラウドに複数企業での共同参入を要望しているクラウド事業者は少なくありません。要件緩和後の選定結果に期待と注目が集まりそうです。
2023.08.31
今回はまず、国内企業のデータセンター事業の現状、今後の意向を見ていきたいと思います。
NTT
今後5年間で1・5兆円以上をかけて、データセンターを増やす意向を示しています。最も増やす場所はインドで、2025年度までに現在の12か所から24か所程度に増やす予定で、ここには海外IT大手の進出や人口増など、潜在的な需要が見込まれます。北米にも14か所から23か所に増やしたいと述べています。
ソフトバンク
ソフトバンク株式会社は、米半導体大手エヌビディアと共同で、生成型人工知能と5G/6Gアプリケーションのプラットフォームを構築して、日本国内の新しいAIデータセンターに導入することを目指しています。
このアプリケーションは、エヌビディアのチップ技術に基づいています。そしてソフトバンクは、コスト削減とエネルギー効率の向上を図るため、マルチテナント型の共通サーバープラットフォーム上で生成AIと無線アプリケーションをホストできるデータセンターの構築を計画中です。
関西電力
関西電力(KEPCO)は、米国のデータセンター事業者 CyrusOneと共同で、900MWの事業規模を達成するという野心的な目標を掲げ、日本でのデータセンター開発に取り組みを始めています。CyrusOne KEPの合弁会社は、ハイパースケールプラットフォーム企業の需要に対応するために特別に調整された新しいデータセンターの開発に焦点を当て、データセンターのインフラをより広範な電力網と連携させることで、この業界における回復力、効率、スマートな開発を強化することを目指します。
このように日本国内企業のデータセンター業界は活発化して、プラス成長を遂げているようです。
では、この背景には、なにがあるのでしょうか。
データセンター業界活発化の背景
その背景には、生成AI(人工知能)など、デジタル化の進行があります。データに基づいて意思決定するデータ・ドリブンの社会になれば、データが加速度的に蓄積されていきます。
データセンター事業に注力するNTTの島田明社長は、
「30年以降に、(電子の代わりに)光を使う半導体を開発したい。研究開発に年間1000億円を投資していく。手始めに、光を使った関連部品の製造を25年以降に始める予定だ。通信機器やサーバーに組み込むほか、より一般的な電子機器への応用も目指す。」
と、データセンター事業が、半導体開発と密接にリンクしていることを示唆しています。
光を使った半導体であれば、電力消費が圧倒的に少なくなるので、持続可能性の観点からも時代に合っていると言えます。
ソフトバンクの宮川潤一社長は、
「AIと共存する時代に入りデータ処理と、電力需要が急速に増加する。日本でのデジタル化社会を支えるための次世代社会インフラの提供を目指す」
としています。
生成AI(人工知能)の発達の目覚ましい今日。成長戦略について展開するサービスを高度化させる、転換期にきているのかもしれません。
2023.08.10
クラウドの利用が加速する中にあって、一度はクラウドに切り出した社内システムをオンプレミスに戻す、いわゆる“オンプレ回帰”の動きが顕在化していると言われています。
昨年には、楽天グループが、オンプレ回帰を決断しました。プライベートクラウド「One Cloud」の環境を拡充し、グループ企業の各種事業が用いるIT基盤の統合を進めています。現在、パブリッククラウドで稼働させている多数のシステムは、原則としてOne Cloudへのシフト。グループ全社でIT基盤のプライベートクラウドへの集約を進めてコスト効率を高めるほか、IT基盤のノウハウを蓄積し安定稼働や、セキュリティ強化につなげるとしています。
プライベートクラウドは、新たに参入を計画する法人向けITサービスの基盤にも活用されます。計画するのは本人確認に使うeKYCやWebサイトのアクセス分析、電子決済の機能などです。いずれもグループの事業で使うために開発した技術で、従量制のパブリッククラウドサービスとして外販する方向で準備を進めています。
クラウドファーストが叫ばれる中、オンプレミスでサーバーを導入する機会は多くの企業で確実に減っていると言われています。ただし、サーバー市場に目を転じれば、いまだ動きは堅調。一見すると矛盾するようですが、この背景にはいったい何があるのでしょうか。
“オンプレ回帰”の背景
サーバー市場は22年度も対前年比1~2割増と好調に推移している様子です。
サーバー仮想化が流行り始めた2000年代前半も、サーバー統合を通じて、サーバーは売れなくなると言われました。しかし、現実はそうなることはなく、仮想化によりサーバー調達の容易性が増し、逆に各種システム導入が活発化したことで、より多くのサーバーが求められるようになりました。
現在、DXを追い風にIT投資も活発化し、従来なかったシステム活用も広がっています。クラウドが必要とするサーバーリソースの急増という状況からも、サーバー市場の拡大はむしろ自然と言えます。
一方で、一般企業のオンプレでのサーバー利用がここにきて盛り返している背景には、実際に使ってみて、クラウドに対する誤解が解けていることがあります。振り返ればクラウドは、極めて低廉なコストでのリソース利用や、運用の外部への切り出しによる作業負荷の軽減で大きな期待を集めました。
しかし、現実は、コスト面でクラウドの特性を理解しないまま利用を進めた結果、予想外の高額な料金が請求されるケースも少なくありません。
また、運用面でも、ハードのお守りこそなくなりましたがシステム自体の運用は依然として残ります。クラウドの管理作業にはオンプレとは異なる知見が必要で、多くの企業がオンプレとクラウドの双方にシステムを抱えている現状では、二重管理がどうしても発生してしまいます。これによる負担は多忙なIT部門にとって決して小さくありません。
セキュリティの問題もあります。機密性が高いデータを扱う既存のレガシーシステムはパブリッククラウド上で運用できないといった理由でオンプレミスでの運用を廃止できず、その結果としてIT運用が複雑化することによる運用管理負荷が増加するといった問題が生じています。
これらの“現実”への理解が進んだことで、一度はクラウドに切り出したシステムについて、「合わない」と判断したものから順次オンプレに戻し、クラウドと併存させるスタイルへの揺り戻しが起こっています。
現在進行形でオンプレ回帰は進みます。ただ、クラウドを経験した企業はその良さも知っています。そうした企業が目指すべきIT基盤は、従来型のオンプレでよいのでしょうか。
現状の“オンプレ回帰”のアプローチは2通り
現状のオンプレ回帰のアプローチは2通りあります。サーバー関連はクラウドに残しつつ、DXで鍵となるデータのみをオンプレに戻すやり方が1つ。システム全体をオンプレに戻すのがもう1つです。問題となるのは後者の方法です。
コスト面だけを重視したSPOF(単一障害点)が存在する設計の3Tier型(サーバー群と共有ストレージをネットワークファブリックで接続するシステム形態)でないことだけは明白。ただし、全ての提案において3Tier型がよくないと言っているわけではなく、適切な課題への対策などを考慮した上でも、大規模になるほど複雑さが増し、見直しの都度、サーバー、ストレージ、ネットワークの担当者による議論で長いリードタイムが生じたり、ハードの世代などの問題で高額なリプレースコストが生じたりといった状況には誰も戻りたくはないと考えています。
目指すべきは、やはりクラウドライクな仮想化基盤の採用です。その観点から今、注目を集めているのが、クラウドライクなシステム基盤を実現するHCI(Hyper Converged Infrastructure)。このHCIが評価を大きく高めているようです。事前に検証済みのサーバーとストレージ、ネットワークの機能をソフトウェアで実装して1つの筐体に収め、仮想化ミドルウェアと一体で提供されるHCIは、IT基盤の構成を格段にシンプル化します。専門的な知識が乏しくともノードの追加で簡単にリソースを拡充でき、クラウドに近い拡張性を実現します。
大規模になるにつれ複雑さを増す3Tier構成に対し、シンプルな構成を保てるHCIは、今後も注目を集めることになりそうです。
2023.07.25
大阪を中心とした関西圏は、データセンター事業としては、アジア・パシフィック最大規模である首都圏に次いで急速に成長している市場です。企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)が進む中、地元企業だけでなく、国内外企業から幅広い需要があります。
データセンター新設ラッシュ
2019年、NTTコミュニケーションズ(NTT Com:NTTコム)が大阪府茨木市に関西地域で最大のデータセンターを開設。
2023年2月には、三菱商事とデジタル・リアルティのデータセンター合弁会社であるMCデジタル・リアルティが、大阪で新たなデータセンターを開設。
この2カ月間で、大阪エリアではアジアの不動産企業であるESR Groupが19.2MWのデータセンターの建設を開始。そして株式会社オプテージが2026年1月に開業予定の14階建てのキャリアニュートラルデータセンターの建設計画を発表しています。
関西電力、データセンター開発で米サライスワンと新会社
データセンターを開発・運用する米サイラスワンは、日本のエネルギー会社である関西電力株式会社(KEPCO)と提携し、日本国内における新規データセンター開発に取り組んでいます。
5月22日、関西電力は、サイラスワンと、日本でデータセンター事業を展開する合弁会社を設立すると発表。今後10年間で少なくとも1兆円(70億ドル)を投資し、電力消費を示す「受電容量」が1カ所あたり5万キロワット以上の「ハイパースケール」と呼ばれる大規模データセンターを関西圏や首都圏で開発・運用、夏にも活動を始める予定です。
10年後には合計の受電容量で90万キロワット以上と、ほぼ原子力発電所1基分の電力を使用する事業規模を目指します。
新会社の代表取締役は両社から派遣。関西電力グループがデータセンターへの電力供給や不動産取得などに関するノウハウ、サイラスワンはデータセンターの顧客となるIT(情報技術)企業への営業力など、両社の強みを持ち寄ります。既に1号案件の建設地は関西に確保しており早期に着工する方針です。
関西圏のデータセンター業界に注目を
関西圏のデータセンターは新設ラッシュが続き、その需要は、今後も一層高まると想定されています。関西電力のハイパースケールデータセンター運用によって、関西圏のデータセンター業界の動向に、更に注目が集まることになりそうです。
2023.06.08