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持続可能なデータセンターに対する大手企業の取り組み

地球が気候変動の危機に晒される中、世界全体がカーボンニュートラル実現に向けての動きが加速しています。

最近になって、ESG(環境・社会・ガバナンス)目標の達成に関心抱く経営者も多くなっているのではないでしょうか。

そこで、今回はESGに関心がある方にむけて、電源、空調など多大なエネルギーを必要とするデータセンターを扱う企業のサステナブルな技術革新と取り組みをご紹介します。

 

・Microsoft

 

同社は、スウェーデンで最新のサステナブルデータセンターを開設したことを発表しました。

このデータセンターリージョンでは、二酸化炭素排出量の削減、廃棄物ゼロの認証の達成、100%カーボンフリーエネルギーでの運用に取り組んでいます。

こちらのデータセンターで使用されている燃料は、再生可能な原材料を50%以上含み、標準的な化石燃料と比較して二酸化炭素の排出量をほぼ同等に削減することができる、世界初のノルディック・エコラベル付き燃料となっています。

これによりエネルギーや水などの資源を節約し、廃棄物の発生を抑えることができますので、まさにESG目標を体現している施設です。

 

また、データセンターでの加湿に必要な水を提供するための雨水貯留方法も開発されました。

この方法は雨水をデータセンターで回収し、データセンター内の設備に使用するという方法です。

他にもデータセンターのサーバーは年間を通じて100%外気のみで冷却されていて、ESG目標に貢献しています。

 

スウェーデンのデータセンターは、世界で最も持続可能な設計と運用を行っていると、スウェーデンマイクロソフト社のジェネラルマネージャーであるエレーヌ・バルネコウは述べています。

また、アメリカのアリゾナ州には「West US 3」と呼ばれるデータセンターリージョンを立ち上げました。

 

こちらは2030 年までにカーボンネガティブを実現するテーマの一環として、すべてのデータセンターで使用される電力に対してグリーン エネルギーの電力購入契約を締結しています。

この政策を実現するために、Microsoftは150メガワットの Sun Streams 2 太陽光発電所 (PV)を建設しました。

今後のMicrosoftの動向に目が離せません。

 

・NTT

 

NTTスマートコネクトは2022年4月、堂島近接エリアに開設する「曽根崎データセンター(仮称)」において、さまざまな省エネルギー設備の導入を予定しています。

一般的なデータセンターにおける消費電力の内訳として、冷却用設備関連がなんと約45%を占める結果が判明していますが、今回、曽根崎データセンターに導入した空調機は、ゼロサイドクリアランス設計と電源・制御盤、自動制御機器も収めたオールインワンパッケージで冷却能力の最大化を図っています。

 

また、建築用吹出しチャンバーを必要としない独自設計で、ファンと冷水コイルを逆転配置することにより、ファンルーム内の圧力を均等にすることを実現しています。

そのため、コイルを通過する気流を整流し、吹出気流の風向・風速分布の均一化を可能にしています。

 

消費電力を約50%削減する独自の高効率ECファンも導入し、省エネルギーに対して積極的に取り組む姿勢が見受けられます。

 

・京セラコミュニケーションシステム

 

北海道石狩市で、再生エネルギーを直接利用したDCの開業を目指しています。

太陽光や風力などの各発電所から電気をDCに直送する方法や冬に貯めた雪を夏にDCの冷房にも使う工夫が予定されています。

 

・ソニーグループ

 

ソニーグループはDCでの消費電力を抑えられるAIを搭載した画像センサーを開発しました。

 

撮影した画像をAIが処理し、必要な情報に絞ってDCへ送信します。撮影したままの画像データを送るよりも、ネットワークの負荷や消費電力を抑えられる画期的な仕組みです。

 

上記以外にも持続可能なデータセンターへの取り組みは、世界中で急速に進められています。

今後のデータセンターの動向にさらにご注目ください。

ESG + DC

2022.12.24

日本初の「データセンター物件情報の検索サイト」開設

CBRE(日本本社:東京都千代田区丸の内)は、「データセンター利用におけるリーシングサービス」の一環として、CBREが運営する国内最大級の事業用不動産専門ポータルサイト『PROPERTY SEARCH(プロパティサーチ)』に、データセンター専用ページ(検索サイト)を開設しました。

 

検索サイト開設の背景

 コロナ禍以降、オフィススペース縮小に伴うサーバールームの移転や、災害・地政学的リスクを踏まえたBCP拠点の設立、DX化推進によるクラウド需要の急拡大など、データセンターに対する需要は年々高まっています。

 

 日本国内ではデジタルサービスの拡大で、データ通信量が2021年までの2年間で倍増しており、今後、さらなるクラウドサービスの利用拡大などにより、データセンター需要が一層高まるとみられています。一方、政府によるデジタル社会基盤整備の方針の下、大都市に集中しているデータセンターの地方分散化や、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において、2030年までに全ての新設データセンターを30%省エネ化、データセンター使用電力の一部再エネ化義務づけを検討されていることから、新たな局面を迎えています。

 

 CBREは、このようなビジネス環境の変化に対応するため、データセンター事業者と協業することで、一般事業会社をはじめとするデータセンター利用者に対し、利用するデータセンターの選択肢を広げていただく目的で、データセンターの物件情報を収集し、国内初のデータセンター物件の検索サイトを構築しました。

 

検索サイト主なサービス内容

 データセンターに関わる不動産戦略策定から開発・取引および運営まで、お客様の課題解決の実行を一気通貫・包括的にサポート。

主なサービス内容は、以下の通りです。

 

  •  データセンター事業の「不動産戦略策定」アドバイザリー
  •  データセンター用地の「取得」における売買・賃貸仲介
  •  既設データセンターの「鑑定評価」、新規データセンターの

 「コンサルティング」レポート作成

  •  データセンター建設の「開発プロジェクト」マネジメント
  •  データセンター運用の「プロパティ」および「ファシリティ」マネジメント

 

 さらなる拡大のフェーズを迎えるデータセンター業界。コロナを機に、動画配信やネット通販などは伸び、データセンターの社会インフラとしての重要性がさらに高まったことで、データセンターは、不動産投資の対象アセットとしても注目されています。グローバルをみても、通信事業者やITサービス企業が積極的な投資を行ってきました。日本国内のデータセンターマーケットは、今後、さらなる成長が見込まれることから、国外のデータセンター事業者が相次いで参入しています。年々、増える投資額を受け、国内のデータセンターの開発も急ピッチで進んでいることに加え、政府主導で進んでいる、地方分散誘導や、カーボンニュートラル対応等の社会課題にも、対応しなければいけない状況にあり、データセンター開発を戦略的に全方位で対応することが求められています。

 CBREのこれまでの物流・倉庫、工場、インフラ、データセンターなどの施設におけるアドバイザリー・コンサルティング・マネジメントの知見・経験、CBREが有する国内外のネットワークと盤石なプラットフォームを組み合わせた新たな付加価値を提供するサービスに、期待が高まっています。

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2022.12.10