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2025.01.27
昨年稼働停止したシャープの液晶パネル工場(堺市、敷地面積=約80万平方メートル)が、IT業界の注目を集めています。
広大な工場の敷地と建屋を人工知能(AI)向けのデータセンターにしたいソフトバンクとKDDIから協力を求められ、シャープはそれぞれと「合意した」と公表。
この件について12月に大きな発表がありましたので紹介していきます。
KDDIとAIデータセンター構築に関する基本合意書を締結
12月9日、シャープとKDDIは、堺工場跡地にAIデータセンターを構築して早期に稼働させることに合意し、基本合意書を締結したことを発表しました。
KDDIは、堺工場跡地の土地や建物、電源設備などを譲り受けることで、2024年度中にAIデータセンターへの転換工事に着工し、2025年度中に本格稼働させることを目指すとしています。
シャープは、売却を通じたアセットライト化により、ブランド事業を中心とした事業構造を確立していくとともに、KDDIによる速やかなデータセンターの構築に協力していくとのこと。
シャープとKDDIは、AIデータセンターの構築を通じて、各産業・各業界のビジネスパートナーとともに事業を通じた持続可能な社会の構築を進め、日本全体の活性化に貢献していくとしています。
ソフトバンクに1000億円で工場一部売却
12月20日には、堺工場跡地の土地や施設の一部をソフトバンクに売却すると発表。
売却額は約1000億円。ソフトバンクはAI向けデータセンターを構築する計画で、データ処理に使う画像処理半導体(GPU)の調達を含めると総投資額は数千億円規模に達する可能性があります。
データセンターは2025年度中に着工し、2026年の稼働開始を目指すとしています。規模を示す電力容量は開始時に国内最大級の150メガワット程度を見込み、早期に250メガワットまで引き上げ、GPUは米エヌビディアから次世代AI半導体「B200」などを購入する予定です。
ソフトバンクは各地の主要都市にデータセンターを整備する計画を掲げています。堺は関西エリアの大型拠点という位置づけに。生成AIの基盤となる独自の大規模言語モデル(LLM)の開発・運用に使うほか、外部企業などへの貸し出しも想定しています。
堺工場跡地の動向2025年も注目を
シャープは液晶パネル事業の代わりに、家電製品などの「ブランド事業」中心の収益構造に転換する方針を掲げています。売却で得た資金はブランド事業の強化に振り向けるとみられます。
堺工場跡地を巡っては積水化学工業も一部取得を検討しているとの情報もあり、2025年も動きがありそうです。今後も状況を紹介していきたいと思います。
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