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2025.12.21
生成AIの普及を背景に、データセンターを取り巻く環境は大きく変化しています。これまでデータセンターの課題としては、電力需要の増大や電力インフラの確保が注目されることが多くありましたが、近年ではそれに加えて「建設費」の動向にも関心が集まりつつあります。
こうした中、ターナー&タウンゼントが発表した最新の調査では、世界各都市におけるデータセンター建設コストが比較され、日本の都市が非常に高い水準にあることが示されました。特に東京は、1ワットあたりの建設費が世界でもトップクラスとされており、日本市場の特徴を改めて浮き彫りにする結果となっています。
生成AI向けのインフラ需要が拡大する中で、データセンターの建設費は、今後の投資判断を考える上で無視できない要素となりつつあるようです。
建設費が高水準となる背景
今回の調査では、日本のデータセンター建設費が高水準となっている背景として、いくつかの要因が挙げられています。その一つが、生成AI対応に伴う設備要件の高度化です。高密度なサーバー配置に対応するため、電力供給設備や冷却設備の仕様が引き上げられ、結果として建設費全体が押し上げられています。
また、電力・空調・IT設備といった専門分野に対応できる人材の確保が難しくなっている点も、コスト上昇の一因とされています。加えて、海外からの資材調達や為替の影響を受けやすい構造もあり、こうした複合的な要素が日本の建設費水準に反映されていると考えられます。
今後の動向として注目されるポイント
生成AI市場の成長が続く中で、データセンター需要は今後も堅調に推移すると見込まれています。それに伴い、建設費についても短期的に大きく下がるというよりは、高水準で推移する可能性があるとみられています。
一方で、こうした状況を受けて、建設手法やプロジェクト管理の工夫によってコストの最適化を図ろうとする動きも出てきています。建設費の動向は、電力や立地と並ぶ重要な検討項目として、今後さらに注目されていくことになりそうです。
生成AIの時代において、データセンターを支えるインフラの在り方は引き続き変化していきます。その中で、建設費という視点から市場動向を捉えることは、今後のデータセンターを取り巻く動きを理解する上での一つの参考材料になるといえるでしょう。
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