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2026.01.26
通信大手のKDDIは2026年1月22日、大阪府堺市に新設した「大阪堺データセンター」の稼働を開始しました。これにより、AI処理需要の増大を背景に国内のデータセンター(DC)事業が再び動きを見せています。ここ数年目立った新設がなかったKDDIのDC事業ですが、昨今のAIインフラ需要を踏まえた戦略的な一歩と捉えられています。

大阪堺データセンター外観
シャープ堺工場跡地の再活用と短期間構築
大阪堺データセンターは、2025年4月にKDDIが取得した旧シャープ堺工場の跡地に構築されました。広大な敷地に元々備わっていた大規模な電力・冷却インフラを再利用することで、約半年という短期間での稼働開始を実現しています。従来のDC構築で必要となる長期の設備整備を大幅に圧縮できた点は、他社事業者との差別化要素として注目されます。
この施設は地上4階建て、延床面積約57,000平方メートルと大規模で、使用電力は100%再生可能エネルギー由来とする環境配慮型の設計も特徴です。電力供給と冷却は直接液体冷却(DLC)方式を取り入れ、高性能計算処理と低消費電力の両立を図っています。
AI処理インフラとしての機能強化
新データセンターには、NVIDIA製のAIサーバー「GB200 NVL72」など最新世代GPUサーバーが導入されており、AI学習や推論処理に最適化されたインフラとして位置づけられています。さらに、Googleの生成AIモデル「Gemini」のオンプレミス提供など、パートナー企業との協業を通じたサービス開発基盤としても活用される計画です。
法人企業向けにはGPUリソースの提供も行われ、多様な業界でのAI社会実装を支える役割が期待されています。特に製薬や製造などデータ量が巨大になりやすい分野では、高度な計算基盤のニーズが強まっており、KDDIはこの流れを捉えた形です。
30年以上の知見の集積と国内DC事業の潮流
KDDIはTelehouse渋谷データセンターで培った水冷技術やDC構築のノウハウを活用し、大阪堺データセンターの設計・運用に生かしています。これにより、高い稼働率や安定性を保ちながらも、新技術対応への柔軟性を確保しています。
国内ではソフトバンクも旧工場跡地を活用した大型DCプロジェクトを進めており、内資系事業者による大型インフラ投資の動きが活発化していることが読み取れます。AI処理需要の高まりを背景に、データセンター事業は従来の通信インフラの枠を超え、産業全般のデジタル基盤としての重要性を増しているといえるでしょう。
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