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News & Topics 一流メーカー工場跡地にてデータセンター建設が進行
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2024.07.16

一流メーカー工場跡地にてデータセンター建設が進行

日本の一流メーカーの工場跡地がデータセンター用地として採用される動きが進んでいます。データセンター用地としての工場跡地の魅力には土地の広さと電力確保の容易さが挙げられますが、今回はその具体的な状況を紹介していきます。

  

マレリ

オーストラリアの不動産開発大手レンドリースが、データセンター事業に参入し、さいたま市北区日進町の自動車部品メーカーマレリから取得した敷地に同社として初のデータセンター建設を進めています。

  

レンドリースは豪に本社を置き、アジア、欧州、北米に拠点を置く不動産グループ。

  

データセンター事業の初プロジェクトとなる今回の施設は、都心から約30キロのマレリの工場跡地約33000平方メートルの敷地に20226月から建設を進めてきました。

  

内装工事が進む1期棟は地上6階建て(延床面積約3万平方メートル)で、IT負荷容量は48メガワットを備えます。

  

24年秋以降の稼働を目指し、隣接地には今後、同規模程度の2期棟を整備する予定です。

  

日野自動車  

日野自動車は、本社に隣接する東京都日野市の日野工場の敷地の一部を売却する方針を発表しました。工場敷地の3分の1にあたる114000平方メートルの土地が対象となります。データセンターの建設用途に限定して指名競争入札の手続きを進めています。

  

周囲には住宅が多いことから、居住環境への影響などを考慮して用途をデータセンター向けとし、複数企業に入札を要請。譲渡する土地で一部のトラック部品生産が残っており、茨城県古河市の古河工場などに移転を終え次第、更地にして引き渡す予定です。

  

同社はエンジン不正の影響で223月期の連結最終損益が847億円の赤字でした。233月期の連結営業利益も前期比82%減の60億円を見込むなど、苦境が続いています。

  

敷地売却の目的は「遊休資産の活用で財務基盤のさらなる安定を図るため」(同社)としています。

  

シャープ

シャープは、液晶事業を縮小するため9月末までに生産を停止する大阪府堺市の堺工場の一部売却に向け、ソフトバンクと独占交渉権を含む基本合意書を結んだと発表しました。

  

ソフトバンクは、土地・建物の一部を譲り受け、生成AI(人工知能)の開発などに活用する大規模なデータセンターを構築する計画で、2024年秋の着工、25年中の本格稼働を目指します。

  

堺工場の跡地活用を巡り、シャープは先にKDDIなどともAIデータセンター設立に向けた協議を始めることで合意しています。ソフトバンクとは別の敷地を提案して協議を続けていくということです。

  

経営の取り組みの多様化

各地でデータセンター建設が進行する中、データセンターという経営テーマへの取り組みも多様化しています。

  

日本のNECがデータセンターの売却を検討していると報じられています。

  

またITインフラ・サービス大手のNTTデータグループが、データセンターに特化した不動産投資信託(REIT)市場に参入することを発表。国内企業によるデータセンター特化型 REITの設立は国内初となります。

  

20263月の運用開始を目指し、資産規模は最大1,000億円を見込んでいます。NTTデータは、この新体制を活用し、AIなどによる需要急増を取り込み、データセンター建設を加速させる狙いだとしています。

  

日本の大企業の経営改革において、データセンターというテーマの重要性が増してきていることがわかります。新たな取り組みを企画する企業も増えていくことが予想されるので、今後もその状況を紹介していきたいと思います。

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