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2025.12.23
2025年のデータセンター市場は、結果としてこれまで以上に多様なプレイヤーが参入し、プロジェクトの大規模化が一段と進んだ一年となりました。生成AIの急速な普及やクラウド利用の拡大を背景に、日本市場は国内外の事業者から中長期的な成長が見込まれる市場として改めて注目を集めました。
この年を通じて特徴的だったのは、参入主体の広がりです。従来は国内大手事業者や一部の外資系企業が中心でしたが、2025年は不動産デベロッパー、インフラ投資ファンド、通信関連企業、さらには海外で豊富な運営実績を持つデータセンター専業事業者など、背景の異なるプレイヤーが同時に存在感を高めました。
また、施設の在り方も変化しました。単なるコロケーション提供にとどまらず、AIワークロードを前提とした高電力・高密度設計や、ハイパースケーラー対応を見据えた大規模キャンパス型開発が進み、市場全体として「多様化」と「大規模化」が並行して進んだ一年だったと言えるでしょう。
立地面でも動きがありました。首都圏や関西圏の既存エリアに加え、新たな地域や準主要都市への進出が相次ぎ、日本国内のデータセンター立地はより広域的な広がりを見せました。
2025年を象徴するデータセンター各社の動き
2025年の市場動向を象徴する事例として、ESRの動きが挙げられます。ESRはStack InfrastructureやColt DCSとの連携を通じて、大阪・南港という新たなエリアへ進出しました。これは、関西圏におけるデータセンター立地の選択肢が広がったことを示す象徴的な動きでした。
Gaw CapitalとDayOneの連携も、2025年を特徴付ける動きの一つです。シンガポール系資本を背景に持ちながら、本社は中国に置くデータセンター事業者であり、日本市場にはこの年が実質的な初進出となりました。GDSを含め、中華系データセンター事業者の存在感が日本でも可視化された一年だったと言えます。
さらに、FLOW Digital InfrastructureやEdgeConneXといったグローバルなデータセンター専業事業者も、2025年に日本市場へ初めて参入しました。海外市場での運営ノウハウを持つ事業者が相次いで日本に拠点を構えた点は、市場の成熟度が一段階進んだことを示しています。
Global Compute Infrastructure(GCI)は北九州への進出を通じて日本市場に参入し、地方都市におけるデータセンター開発の可能性を具体的に示しました。また、Princeton Digital Group(PDG)は、さいたま市において初の大型データセンター開発を進め、首都圏近郊における大規模案件として存在感を高めました。
2025年は、多様なプレイヤーがそれぞれの強みを持ち込み、日本のデータセンター市場に新たな選択肢と広がりをもたらした一年でした。こうした動きは、今後のデータセンターの在り方や立地戦略、事業モデルを考える上で、重要な示唆を与えるものとなっています。
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