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2025.09.30

海洋から未来のデータインフラを創る

発電船の写真(引用:https://karpowership.com/

 

― 商船三井・日本郵船が描く洋上データセンターの可能性 ―

  

 世界的に進むデジタル化、そして生成AIの普及に伴い、データ処理需要は年々拡大しています。その一方で、陸上データセンターには「電力の制約」「冷却効率」「土地不足」といった課題が存在します。こうした背景から、海上という新たなフィールドを活用したデータインフラの取り組みが注目を集めています。

  

商船三井:発電船と連携した洋上データセンター

  

商船三井(MOL)は、英発電船会社と基本合意を締結し、「発電船から電力を供給する洋上データセンター」の実現に向けた取り組みをスタートしました。中古船を改造してデータセンターを搭載し、発電船から安定的に電力を供給する仕組みです。2027年の実用化をめざし、2070MW規模の運用を計画しています。

  

このプロジェクトの特長は、地上の送電網や用地に依存せずに設置できる柔軟性にあります。また、海水を活用した効率的な冷却や、移動可能な浮体構造を活かし、需要に応じて設置場所を変更できる点も魅力です。持続可能なITインフラの新しい形として、大きな注目を集めています。 

  

日本郵船とNTT:再エネ100%をめざす洋上グリーンDC

  

一方、日本郵船(NYK)はNTTファシリティーズやユーラスエナジーなどと連携し、横浜市と共同で「洋上浮体型グリーンデータセンター」の実証実験を開始しました。

横浜・大さん橋ふ頭に設置した浮体式施設に太陽光発電設備と蓄電池を導入し、再生可能エネルギー100%での運用を検証しています。将来的には洋上風力発電との直接連携も視野に入れ、環境負荷の少ない次世代型データセンターのモデルケースをつくる計画です。

この取り組みでは、実際の海洋環境における耐塩害性や安定稼働性、エネルギー効率を検証し、都市部の港湾から洋上へと拡張していく可能性を探っています。

  

広がる洋上データセンターの未来

  

商船三井の「発電船型」と、日本郵船・NTTの「再エネ型」。両者はアプローチこそ異なりますが、共通するのは 陸上インフラに依存しない持続可能なデータセンターの実現 です。

  • 発電船を活用することで大規模化をめざす方式
  • 再生可能エネルギーでゼロエミッションをめざす方式

いずれも、将来的には国際通信網や海底ケーブルとの連携を視野に入れ、グローバル規模のデジタルインフラ戦略に寄与する可能性を秘めています。

  

今後は、技術の実証に加え、通信・電力・海運といった異分野の連携や制度整備も重要な要素となります。洋上という新しい領域に挑むこれらの取り組みは、日本発のデータセンターモデルとして世界から注目されることでしょう。

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