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2023.01.10
データセンター投資をいち早く実現するために、今後需要が高まるデータセンターのトレンドを知り、習熟していくことは重要です。
テレワークやクラウドの普及、IT革命など今後もネット通信の需要は大きく伸びることが予想されますが、最新のトレンドは単にHPCによる膨大なデータ処理等、高電力消費が可能という観点に加え、更に視点を拡大することが重要になってまいります。
今回は、2023年のデータセンターのトレンドをご紹介します!
・ハイパースケールへのシフト
近年クラウドサービスを支えているのは、従来型のDC(データセンター)ではなく、HSDC(ハイパースケールデータセンター)です。
HSDCとは、膨大なデータ通信とストレージを必要とする企業が建設する大規模な施設のことで、その名の通り、従来のデータセンターよりも規模が大きく、ユーザーにはGAFAMに代表されるようなメガクラウド企業が見受けられます。
メガクラウド企業が要求するのは、「適切な立地」「大規模」「統一された品質」のデータセンターです。
最近まで、HSDCはメガクラウド事業者が大量のサーバを設置するために作られた施設でしたが、現在はGAFAMより規模の小さい SaaS 事業者なども使い始めています。
クラウドサービスの普及にともない、HSDCが世界的に増加するなか、世界中のデータセンターが消費する電力の増加が、地球環境に深刻な影響を及ぼすと予想されてきました。
しかし2020年、米ローレンス・バークレー国立研究所などの共同調査によると、2010~2018年にかけてDCの処理容量が約6倍に増えているのに対し、消費電力の伸びは全体の6パーセントの増加にとどまっていることが報告されています。
少ない消費電力で多くのデータ処理が可能なHSDCの普及により、DC全体の消費電力の増加が抑えられているのです。
HSDCは結果的に高い省エネ性能を持ち、環境への負荷低減にも貢献していると言えます。
サステナビリティが求められてくるこれからの時代ではHSDCは欠かせない施設になってくると言えます。
・再生エネルギー
DCの脱炭素化は大きく2つに分かれます。
1つは空調、電源など施設の電力使用効率の向上、2つ目が再生エネルギーへのシフトです。
近年CO2排出による地球温暖化が問題となり、再生可能エネルギー電力へのシフトが加速しています。
HSDCの普及により電力消費の増加は多少抑えることができるようになりましたが、消費電力自体が増えていくことに変わりはありません。
サステナブルなデータセンターであることは生き残りに向けて必須要件とも言えます。実際に、グローバルの大手DC事業者は再生エネルギー100%の導入目標を掲げています。
国内では寒冷な気候や再生エネルギーの立地に近いという利点を活かして、石狩市のゼロエミッションDC計画が進んでいます。
再生エネルギーでの運用が今後のデータセンターのトレンドになることは疑いの余地がありません。
・エッジコンピュータ市場
エッジコンピューティングとは、IoT端末などのデバイスや、その近くに設置されたサーバでデータ処理・分析を行う分散コンピューティングのことを指します。
クラウドにデータを送らず、エッジ側でデータの処理・分析を行うためリアルタイム性が高く、負荷が分散されることで通信の遅延も起こりにくいという特長を持ちます。
近年はIoTやAIの進化により、大量のデータを瞬時に処理する必要性に迫られました。
従来のクラウドでは大量のデータを取り扱う際に、どうしても処理リードタイムが増加してしまいますが、それに対応したのがエッジDCです。
今後はデータ量増大によるクラウドのボトルネックとなる処理遅延を避けるため、エッジコンピュータ化が更に進むと予想されます。
Google、Microsoftなどもクラウドのエッジソリューションを出し、新たなニーズを探っている段階です。
HSDCはもとより、エッジコンピュータも投資対象となる可能性を秘めています。
上記のようなデータセンターの今後のトレンドを把握し、今後の投資予測に役立ててください。
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