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2024.08.23
人工知能(AI)の急速な普及に伴い、データセンターの重要性が増しています。現状では生成AIや数年後のAIを支えるデータセンターが不足する可能性があり、データセンターで消費する大量の電力をどう確保するかなどの課題を抱えています。各社は再生可能エネルギーを利用し、二酸化炭素(CO2)の排出量を抑えながら、需要に対応できるよう工夫を凝らしている状況もありますが、国内の企業はまだそこまで意識は高くない傾向にあります。
GAFAMは自社で再生可能エネルギー発電所を建設
アマゾンなどGAFAMはすでに、発電事業者と長期契約を結んで再エネを直接調達しています。データセンターなど電力を消費する施設の近くにある再エネ発電設備を確保して、「地産地消」のかたちで再エネを使用しています。
米Google(グーグル)は、再エネ電源を50カ所以上、合計容量は5.5GWを調達していることを明らかにしています。米Microsoft(マイクロソフト)は世界10カ国で5.8GWの再エネ電源の調達契約を発表しています。
政府、補助金支給の仕組みを検討
そんな中、政府は再エネや原子力といった脱炭素電力が豊富な地域への産業集積を進めることを発表しました。工場やデータセンターなどを建設する際、企業と地方自治体による投資計画を審査し、脱炭素の度合いが高い案件を法人税優遇や補助金支給の対象とする仕組みを検討。
政府の脱炭素戦略を定めたグリーントランスフォーメーション(GX)推進法を改正。企業の拠点整備に関して、脱炭素電力の使用割合などを明記した計画を策定してもらう予定です。
域内で使う電力の一定程度以上を脱炭素型でまかなう自治体との申請を条件とすることで、環境負荷低減を軸とした企業立地政策への転換を狙います。
認定を経て、企業は法人税の軽減や設備投資への補助金支給といった措置を受けられます。
脱炭素化に向けて、企業の意識の変容に期待
国内で脱炭素電力を供給できる地域には偏りがあります。太陽光や風力と言った再エネや原子力による発電施設が多く立地し、脱炭素の電源比率が4割を超える地域は国内で北海道と関西、九州だけとなっています。風向きに左右される洋上風力の適地は北海道や青森県、秋田県、長崎県などの沖合に限られます。
発電所から遠くに電力を運べば、送電ロスが発生します。送電網設備にもコストがかかり、遠隔地からの電力の使用は割高となります。産業集積によって電力の地産地消を促し、エネルギーの効率的な利用につなげます。
国内では近年、半導体関連の工場建設に加え、データセンターの新設が活発になっています。電力消費の増加が見込まれる一方、政府は50年までにCO2など温暖化ガスの実質排出ゼロを目指しています。
補助金支給によって企業の意識が脱炭素化に向かっていくことが期待されますが、実際はどうなるのか。今後の状況も紹介していきたいと思います。
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