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TOPICS & NEWS

米クラウド大手が、日本でのデータセンター投資を拡大する背景

米オラクルは4月18日、今後10年間で日本国内のデータセンターに80億ドル(約1兆2000億 円)を投じると発表しました。また、米オープンAIも日本進出を発表。

 

他にもマイクロソフトなど、米クラウド大手が今年に入って表明した対日投資額は計4兆円に迫っています。こうした米クラウド大手の日本のデータセンター重視の背景には何があるのでしょうか。

 

生成AIの普及と安全保障のリスクへの対応

 

背景にあるのは、生成AI(人工知能)の急速な普及です。利用企業の間では基盤となる大規模言語モデルの学習や運用に使うクラウドサービスのニーズが高まっています。ドイツの調査会社スタティスタは日本のデータセンターの市場規模が28年に約240億ドルに達し、23年の1.4 倍に膨らむと予測しています。

 

しかし、クラウドサービスの安全保障のリスクが浮上。日本経済新聞などの調査によると、約半数の企業が各国の捜査当局などからの開示請求に関する十分な規定を整えていないことが分かっています。日本はデータの保管を海外に依存している企業が少なくない中、検閲などの懸念がある中国やロシアにデータを置く企業もあり、対応が急がれています。

 

セキュリティーやプライバシー意識の高まりからも、各国・地域の規制当局は自国のデータを国内で管理するデータ主権の考え方を重視するようになっています。日本政府も個人情報保護法で国境をまたいだ個人データの移転を制限しています。日本の企業は機密データを国内で管理するよう求められつつあります。

 

こうしたニーズに応えるため、米クラウド大手は相次いで日本国内での大規模投資を打ち出しています。

 

また、日本重視の動きはAI分野に限りません。世界最大の半導体受託生産会社、台湾積体電路製造 (TSMC)は約1兆3000億円を投じて熊本県内に建設した工場で24年末までに演算用半導体の量産に乗り出します。約2兆円を投じ、27年の稼働に向けて第2工場の建設も決めました。

 

同社はこれまで台湾に生産拠点を集中させてきましたが、中国の侵攻リスクをにらみ日本や米国、ドイツなどに生産拠点を分散する戦略を進めています。熊本工場の建設はその一環ですが、半導体の需要地で関連産業が集まる日本の重要性はさらに高まる可能性があります。

 

このような情勢は今後も大手クラウドの動きに影響を及ぼすことになりそうです。

 

AIは日本の経済成長に不可欠な要素

 

地震国で電気代も高い日本におけるデータセンターのコストは海外に比べ割高とされていますが、クラウドサービスでマイクロソフトと競合する米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や米グーグルも国内で大規模なデータセンター投資に乗り出しています。

 

マイクロソフトのブラッド・スミス社長は日本について「人口が高齢化し減少する中、持続的な経済成長にとってAIは不可欠な要素だ」と語っています。

 

日本の経済成長に向けて、AIの可能性そして大手クラウドの動向に今後も注目していきたいと思います。

TOPICS & NEWS

2024.05.17

NVIDIAが「世界最強チップ」と謳う、次世代AI向け半導体 B200 GPUを発表

半導体大手エヌビディア(NVIDIA)は、2024年3月に次世代AI向け半導体 「Blackwell(ブラックウェル) B200」GPUを発表しました。

 

B200とは?

 

「ブラックウェル B200」は同社の従来製品と同じサイズの2つのチップを1つにまとめたもので、性能を大きく左右するトランジスタ数は2080億個と従来の主力製品「H100」の800億個の約2.6倍。

 

「H100」と比較し、AI向けの作業では3~5倍の処理能力があり、チャットボットからの回答を提供するなど、タスクによっては最大30倍の高速処理を実現、コストとエネルギー消費を最大25倍削減できるとのこと。

 

B200の料金は?

 

出荷は2024年後半の見込みで、料金も不明だが、おそらく「H100」「H200」よりも上昇すると予想されます。

 

しかしAmazon , Google , meta , Microsoft , Open AI , Oracle など主要な大手クラウドサービスプロバイダーがすでに新半導体を導入する見込みであるという発表からも、この技術が業界に与える影響の大きさが伺えます。

 

エヌビディアはAI技術の発展を加速させるだけでなく、産業界全体のキープレイヤーとしての地位を不動のものにしていくでしょう。

 

GPUの処理能力向上とともに、今後ますます盛んにAIが活用されていくことに疑う余地はありません。

 

生成AIの発達により、今までは生成が難しかった動画や音楽など、一定のデータ量が必要なコンテンツの増加も見込まれるため、今後ますますデータセンターの需要が高まっていくことでしょう。

引き続き業界の動向をウォッチしていきます。

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2024.04.25

【OpenAI】革新的な動画生成AI「Sora」とは?できることや作品例、料金、活用方法まで徹底解説!

2024年2月、Chat GPTで有名なOpen AI社が新たに「Sora」という動画生成AIを発表しました。しかし2024年4月現在、「sora」は一般ユーザーには公開されておらず、利用料金も不明です。

 

Soraは、OpenAIが開発した大規模言語モデルGPT-4をベースに、さらなる改良を加えた次世代のAIシステムです。

かんたんな文章で指示するだけで、最長1分の高品質な動画を簡単に作ることができることができます。 

これまでも動画生成AIはありましたが、数秒程度の動画しか作成できなかったため、長さもクオリティも「Sora」の圧勝です。

GPT-4を搭載する「Sora」の登場が世界全体を大きく変えていくことは間違い無いでしょう。

 

本記事では、動画生成AI「Sora」の概要や、料金、使用感、活用方法などを詳しくご紹介します。

 

「Sora」の作品例

 

以下の動画は、実際に「Sora」が作成した作品例です。

 

①風船頭

 

プロンプト:sunny, our balloon-headed boy, embodies the bluesky feeling of boundless potential that we felt when we first began using the tool. our heads filled with so many ideas, it felt like they might POP. 

 

和訳:太陽よ、風船頭の少年の頭の中は、、私たちがこのツールを使い始めたときに感じた、無限の可能性の青空のような感覚を体現しています。彼はたくさんのアイデアでいっぱいで、今にも浮かんできそうな感じでした。

 

 

②ゴールドレコードのいじめ

 

プロンプト:Exploring space-time with Sora. This isn’t going to replace the filmmaking process, rather, it’s offering an entirely new way of thinking about it. Not restricted by time, money, or other people’s permission, I can ideate and experiment in bold and exciting ways.

 

和訳:ソラと一緒に時空を探検。これは映画製作プロセスに取って代わるものではなく、映画製作プロセスについてまったく新しい考え方を提供するものです。時間、お金、または他の人の許可に制限されないので、大胆で刺激的な方法でアイデアを出し、実験することができます。

 

 

「Sora」の料金

 

Soraの料金は2024年4月現在、一般公開後の料金体系についてはまだ発表されていません。

 

しかしGhat-GPTなどこれまでのパターンから推察するに、無料版と有料版がリリースされ、一定以上の機能は有料版でしか使用できない、ということになるのではないでしょうか。

 

最初はすべてを無料公開し、後から一部機能を有償化することも考えられます。

 

「Sora」の活用方法

 

「Sora」の将来的な活用シーンについて、下記のようなことが予想されています。

 

1.映画やアニメーション動画

2.バーチャルリアリティ(VR)体験

3.教育用の解説動画やチュートリアル動画

4.ニュース速報や天気予報

 

5.商品プロモーションビデオ

6.SNS向けのショート動画

7.パーソナライズされたメッセージ動画の

8.不動産物件の内覧用バーチャルツアー動画

 

9.ファッションショーなど、仮想イベント動画

10.スポーツハイライトや解説動画の自動編集

11.医療や科学分野におけるシミュレーション動画

12.歴史的イベントや人物のドキュメンタリー動画

 

13.音楽ビデオやライブパフォーマンス動画

14.自動車や家電製品の取扱説明書の動画化

15.株式市場や金融データの可視化とレポート動画

16.建築設計やインテリアデザインのプレゼンテーション動画

 

17.災害時の避難経路や安全手順の説明動画

18.語学学習用の会話シーン動画

19.個人の思い出や記念日のカスタマイズ動画

 

これらは一例ですが、動画をいとも簡単に作成することができるため、視聴者の属性やニーズにあわせて、オリジナルのビデオを作成することができる点や、今まで作成が高価だったバーチャル映像が簡単にできる点が強みになりそうです。

 

動画生成AIとデータセンター

 

生成AI用途のデータセンター新設計画が相次いで発表されています。データ容量の大きい動画が簡単に作成できるようになる背景から、今後ますますデータセンターの需要は高まっていくものと思われます。

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2024.04.15

エヌビディア決算、大幅な増収増益で好業績

エヌビディアが2月21日、2024年1月期決算を発表しました。通期での売上高は609億ドル(前年比126%増)、営業利益は330億ドル(同7.8倍)でした。

 

第4四半期(11月〜1月)の売上高は221億ドル(前年比265%増)となり、会社予想の200億ドルを上回りました。営業利益に至っては136億ドル(同10倍)で、営業利益率は61%を超えました。

 

好業績を受けて、時間外株価は目下7%強の高騰。2〜4月期の売上予想は240億ドル(±2%)とし、「2024年、2025年とそれ以降も成長を続ける」と力強い見通しを示しました。

 

クラウド向けがデータセンター売上の半分

 

エヌビディアの業績を牽引するのは、依然としてデータセンター需要です。

 

データセンターの売上高は四半期ごとに増加しており、第3四半期の売上高は145億1000万ドルと279%増加しました。その前の四半期は103億2,000万ドルで、171%増。第1四半期は42億8000万ドルで14%増でした。

 

最新の四半期では、データセンター売上の半分以上が大手クラウドプロバイダーからのものだったといいます。

 

エヌビディアの創業者兼CEOであるジェンセン・フアン氏は、「加速するコンピューティングと生成AIは転換点を迎えている。企業、産業、国家を問わず、世界中で需要が急増している」として、データセンターの設置ベースは約1兆ドルに上り、今後 4、5 年の間に、世界中のソフトウェアを動かす 2 兆ドル相当のデータセンターが誕生すると主張しています。

 

今後もエヌビディアは独走状態か

 

今後もデータセンター需要は拡大することが予想されます。生成AI拡大にともなって高性能な半導体の需要は急増しており、独走態勢で受注を伸ばしています。

 

3月19日には、日立製作所がエヌビディアとAIサービスの開発で協業すると発表しました。鉄道やインフラ設備をデジタルの仮想空間で再現し、保守点検の効率化につなげる予定です。

 

また、自動運転技術の強化に向けて、エヌビディアと中国EV各社が提携を拡大することも発表されています。

 

独走状態は当面続きそうですが、エヌビディアの動向を追っていきたいと思います。

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2024.03.25

さくらインターネット積極姿勢、更なる成長に期待

前回の記事でも紹介したさくらインターネットが、今後5年間で最大1000億円を投じて能力を増強する方針です。

 

さくらインターネットの田中社長は、今後の経営戦略として

「来期は今期の2倍に当たる最大200人の人材を採用する。サーバーを保管するデータセンターの開発力と運用力を高める」と語っています。

 

積極姿勢の背景にはデータセンター需要の持続的な拡大があります。クラウドの裾野の広がりに加え、生成AIなど計算量の多い新技術の登場で、膨大な演算を効率的に行えるインフラを有するデータセンターが世界的に不足しています。

 

更に昨年11月「25年度末までにすべての技術要件を満たすこと」(河野デジタル相)という条件付きではあるものの、政府や地方自治体が共同で使う政府クラウドの基盤部分を提供する事業者に選ばれました。AWSジャパン、Googleクラウドジャパン、日本マイクロソフト、日本オラクルの米国勢4社に続く、日本勢としては初の参入となります。

 

日本企業初の政府クラウド認定の発表に、株式市場も反応。株価は発表直後から急押し。23年通年の値上がり率は東証プライムの上場銘柄で首位となりました。

 

日本拠点を持ち味に

 

さくらインターネットはデータセンターを通じてクラウドサービスに必要な仮想サーバーなどのインフラを貸し出していますが、海外IT大手とは異なり、運営する5ヵ所のデータセンターはすべて国内にあります。開発者全員が日本で働き、クラウドの機能を顧客の要望に合わせやすい小回りの良さが持ち味です。

 

政府クラウドを先行導入する省庁や自治体では、発行済みアカウント数175のうち9割超がAWSを選択しています。個人情報保護の観点から、さくらインターネット提供の「日の丸クラウド」の利用を望む自治体が一定数いるもようですが、増収効果は年間数十億円にとどまる見込み。

 

重要なのは政府クラウド参入で得られる知名度や信頼度の高まりといった間接的な効果です。生成AIを使って業務を効率化したい製造大手や訪日外国人向けの翻訳サービスに取り組む旅行大手など、新たな取引先の開拓につなげる方針です。

 

また、昨年北海道のデータセンターに生成AI向けクラウドサービス「高火力」の開発に3年間で130億円規模の投資を行うことを決定。米エヌビディア製高性能GPU「NVIDIA H100 Tensor コア GPU」を搭載したサーバーを石狩データセンターに用意。大規模言語モデルなどの生成AIを中心とした利用を想定しており、今年1月に「高火力 PHY」の提供を開始しました。

 

さらに田中社長は中長期の見通しとして、「3~5年で現在の10倍を提供できなければ国内の需要を満たせない」として、日の丸クラウドの整備を後押しする経済産業省と連携し、エヌビディアに安定供給を求めています。

 

GPUの調達見通しに沿ってデータセンターの増強を続ける場合、単純計算で投資額は1000億円規模に。生成AI関連は利益率が高く、ここで生み出した利益を追加投資の原資とし、不足分は銀行借り入れなどを検討しています。

 

更なる成長を期待

 

競合の米IT大手も日本で攻勢を強めていますが、さくらインターネットは今後も攻めの姿勢を見せていくでしょう。日本拠点の地の利を生かし、更なる成長を期待したいと思います。

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2024.03.14

さくらインターネット、国内勢で初めて政府クラウドの提供事業者に認定

さくらインターネットは、日本最大規模の大容量・高速の通信回線を保有し、高度なセキュリティと堅牢な設備環境を備えたデータセンターを自社で運営するインターネットサービス事業者です。

 

同社が提供するIaaS型クラウドの「さくらのクラウド」が、2023年11月にデジタル庁が募集した「ガバメントクラウド整備のためのクラウドサービス」に認定されました。従来はAWS、Microsoft Azure、Google Cloud、Oracle Cloud Infrastructureという外資系事業者のみだったので、国産事業者としては初めての認定となります。また本認定は、2025年度末までに技術要件をすべて満たすことを前提とした条件付きです。

 

要件を満たすには、クラウドの機能を短期間で大幅に向上させる必要があり、高度なソフトウェアを開発できる優秀なIT人材の獲得がカギとなります。同社は補助金を主にIT人材の確保に充てる見通しで、2024年度に最大200人の人材を採用する方針です。データの保管や暗号化などの技術開発を加速します。

 

生成AI向けクラウドサービスを提供開始

 

またさくらインターネットは、政府クラウドの提供事業者に認定されたのを機に生成AI(人工知能)を活用する大企業の需要を開拓しています。

 

AIに関わるコンピューティングリソースを安定供給確保することは、日本のデジタル社会を発展させるために必要不可欠であるとして、生成AI向けクラウドサービス「高火力」の開発を決定。

 

「NVIDIA H100 Tensor コア GPU」を搭載した、生成AI向けクラウドサービス「高火力」の第一弾として、ベアメタルシリーズ「高火力 PHY(ファイ)」を2024年1月31日(水)より提供を開始。3年間で130億円規模の投資を行うことも決定しており、引き続きサービスを拡大する予定です。

 

今回提供を開始した「高火力 PHY」は、「NVIDIA H100 Tensor コア GPU」をサーバー1台当たり8基搭載し、サーバー間の通信を200GbE×4本の回線で行うことが可能であるなど、大規模言語モデルなどの生成AIを中心とした利用を想定した仕様となっているそうです。また本サービスは、再生可能エネルギー電源100%で同社が運営する石狩データセンターでの提供を予定。これによりCO2排出量ゼロを実現しながら生成AIを開発することができるとしています。

 

業界から注目を集めるさくらインターネット

 

長らく外資系のみだった政府クラウドの事業者に選定されたことで注目を集めるさくらインターネット。田中邦裕社長は、「2025年度末までに機能を充足させる計画を提出し、それを完遂させる覚悟を持って取り組みます」とコメントしており、並々ならぬ決意が感じられます。同社の今後の展開に期待が高まります。

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2024.02.22

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