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2023.12.16
データセンターの一極集中化の問題が顕在化する中で、政府はデータセンターの地方分散化に取り組んでいます。すでに複数の省庁で事業や検討がはじまっています。
広島県三原市にデータセンター建設が明らかに
三原市の本郷産業団地に東京の企業がデータ処理の高速化と安定性を高めるため、大規模なデータセンターを建設することが明らかになりました。
この企業はアメリカのIT大手「グーグル」のグループ企業だということです。
三原市の本郷産業団地は、広島県と三原市が出資して27万5000平方メートルの敷地を一昨年に整備し、11月17日に結ばれた契約で土地の売却価格は58億円あまりとなっています。
また、データセンターの整備に伴う投資額は1000億円規模になると見込まれています。
本郷産業団地が選ばれた理由
広島県によると、本郷産業団地が選ばれた理由としてデータセンターは膨大な情報を取り扱うことから災害リスクが少ないほか、広島空港から車で15分ほどの場所にあり、高速道路のインターチェンジも近く、保守点検や機器更新のための交通アクセスの良さなどが評価されたということです。
この企業では段階的に施設の整備を進め、すべての施設が稼働するのは10年後の2033年ごろになる見込みだとしていて、今後、県は三原市と連携して必要な支援を行う方針です。
経済産業省、データセンターの地方分散化を支援
経済産業省は通信大手のソフトバンクが生成AIの開発などに活用するための新たなデータセンターを苫小牧市に整備する計画に対し、最大で300億円を補助すると発表しました。
国内のデータセンターは東京や大阪の周辺に集中していることから、地方への分散を進めることで大規模な災害に備えるとともに、膨大な電力を使用することによる電力負荷の地域的な偏りを解消する狙いがあります。
西村経済産業大臣は11月7日の閣議のあとの会見で「地方にある再生可能エネルギーの利用の促進にもつながるので、今後もデータセンターの地方への分散をしっかりと支援をしたい」と述べました。
データセンターの地方分散の流れに注目を
ChatGPTなど、目覚ましい進化を遂げているAI(人工知能)。大量のデータがやりとりされるため、通信環境に問題があると、ユーザーに大きなストレスをもたらすことになります。データのやりとりの基盤となる良好な通信環境を実現しなければなりません。一部の地域にデータセンターが集中することは、街の機能維持の観点から、都市の電力が逼迫することの可能性も懸念されています。リスク分散等の観点からも、データセンターの地方分散化は重要です。
データセンター建設による地域経済の活性化に繋がる可能性も考えられます。今後のデータセンター地方分散の流れには、大いに注目していきたいです。
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