2026.09.24
SKグループの日本AI戦略が進展 ― NVIDIA提携と宮城の半導体工場報道から見る次世代DC構想
SKグループが日本で構想するAIデータセンターをめぐり、関連する動きが相次いでいます。2026年6月、SKグループの崔泰源会長は、日本で2028~2029年をめどにAI特化型の次世代データセンターを開設する方針を示しました。NVIDIAと連携し、自社の先端半導体を活用することで、消費電力を抑えながら高度な計算能力を実現する構想です。
その後、NVIDIAとの大規模な協力計画や、SK hynixによる宮城県での半導体工場建設の報道など、日本でのAIインフラ展開を考えるうえで注目される動きが続いています。
NVIDIAとの5000億ドル超規模の包括協力計画
2026年7月24日、NVIDIAとSKグループは、AIファクトリーの構築や次世代AIメモリを含む、5000億ドル超の包括的な協力計画を発表しました。
SK TelecomはNVIDIAのシステムを活用し、最大2GW規模の計算基盤を韓国に構築する計画で、最初のAIファクトリーは2027年の稼働を予定しています。また、SK hynixはHBM4を含む次世代AIメモリの供給でNVIDIAとの協力を進める方針です。
この取り組みは、AI向けGPUだけでなく、メモリ、データセンター、電力などを組み合わせてAI計算基盤を整備する「AIファクトリー」の方向性を示すものです。SKグループが韓国で進める大規模なAIインフラ整備は、今後の日本展開を考えるうえでも参考となる動きといえるでしょう。
ただし、今回の発表は意向書(LOI)に基づく協力計画であり、5000億ドル超という金額が確定した投資額を意味するものではありません。この点には注意が必要です。
宮城県ではSK hynixの半導体工場建設が報道
さらに2026年8月には、SK hynixが宮城県にメモリ半導体工場を建設する計画を検討していると韓国メディアが報じました。報道では、数十兆ウォン規模の投資となる可能性も伝えられています。
一方、SK hynixは、必要なインフラを備えた場所であれば潜在的な候補地になり得るとしながらも、現時点では具体的な場所を決定していないと説明しています。また、宮城県側も現時点で具体的な計画を把握していないとの説明をしています。
そのため、現段階では「宮城県に工場が建設される」と断定するのではなく、SK hynixによる日本での半導体生産拠点の可能性が報じられている段階として捉える必要があります。
半導体とAIデータセンターを支える電力・インフラ
今回の動きがAIデータセンターの観点からも注目されるのは、半導体工場とAIデータセンターの双方が、大規模な電力や産業インフラを必要とする施設だからです。
宮城県では、富谷市が経済産業省のGX戦略地域「データセンター集積型」に認定されています。脱炭素電源を活用したデータセンターの集積を進め、電力・通信インフラと周辺産業を含む新たな産業クラスターの形成を目指すものです。
現時点で、SK hynixの半導体工場に関する報道と、SKグループが構想する日本のAIデータセンターが直接結び付いているという公式説明はありません。ただ、半導体、AI計算基盤、データセンターを支える電力・通信インフラを同じ地域で整備する動きが進めば、東北における「ワット・ビット連携」という観点からも注目されます。
今後は、日本でのAIファクトリーの具体的な候補地、SK hynixの宮城県での工場計画の進展、さらに大規模なAIインフラを支える電力・通信環境の整備がポイントとなりそうです。SKグループが韓国で進めるAIインフラの取り組みが、日本でどのように展開されるのか、引き続き注目したいところです。
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